今日11月7日は二十四節気の一つ「立冬」です。
「立冬」とは、初めて冬の気配が現れてくる日のことで、この日から「小雪」までの期間を言います。
暦便覧にも「冬の気立ち始めていよいよ冷ゆれば也」と説明しています。
秋分と冬至の中間に当たり、暦の上では、この日から「立春」の前日までが冬と言うことになります。
「立冬を前にした行事」
六甲高山植物園では立冬を前にした11月3日に、植物園のアイドル「小便小僧マント着せ行事」が行われました。
この行事は地域の人たちにも人気があり、毎年恒例の行事で、今年で36回目を迎えたそうです。
この行事は、1962年(昭和37年)に冬の厳しい寒さに風邪を引かないようにと、お客さんからプレゼントされたマントを着せたのが始まりといわれています。
・冬に備え、マントと帽子を着せてもらった小便小僧です。(阪神電鉄㈱HPより)
「晩秋から初冬の気になる言葉」
・「冬」
語源について調べて見ました。
・「冷ゆ(ひゆ)」が転じて「冬」となったとする説。
・寒さが威力を「振るう(ふるう)」・「振ゆ(ふゆ)」が転じたとする説。
・寒さに「震う(ふるう)」が転じてなったとする説。
・動物が出産すると言う意味の「殖ゆ(ふゆ)」が転じて冬となったとする説。
などがあるようです。
・小春日和(こはるびより)
小春日和(こはるびより)の「小春」とは、暖かで春に似ていることから言われた言葉で、旧暦10月の異称です。
そして、小春日和とは、小春の頃(新暦では11月~12月の晩秋から初冬)の春のように暖かく、穏やかな陽気のことをいいます。決して春の時期に使う言葉では
ないので気をつけましょうね。
なお、旧暦10月は「小六月(ころくがつ)」ともいいます。
・時雨(しぐれ)
時雨とは、「過ぐる」から出た語で、通り雨の意味です。
一般に使われている「時雨」は、晩秋から初冬にかけて一時的に風が強まり、急に降っては止む雨のことを言っており、冬の季節風が吹き始めた頃の寒冷前線が
もたらす驟雨(しゅうう)です。
*驟雨(しゅうう)とは、前述したように、急に降りだし、まもなく止んでしまう雨のことで、所謂、にわか雨のことです。
万葉集から、「時雨」を詠った歌を1首ご紹介します。
「時待ちて ふれる時雨の 雨止みぬ 明けむ朝(あした)か 山のもみたむ」 市原王(いちはらのおおきみ)(万葉集巻8-1551)
(釈):その時節となって降り始めたしぐれの雨が上がった。明くる朝、山々の木々は黄葉しているだろうか