初鰹
2008-03-13 | 季節
先日、土佐のカツオ漁がテレビのニュースで流れていました。
春の訪れと共に、もうそのような季節になったのですね。
鰹といえば、誰でもこの句を思い浮かべるのではないでしょうか?
「目に青葉 山ホトトギス 初鰹」
これは江戸時代の俳人・山口素堂の句です。
正確には「目には青葉 山郭公(ほととぎす) 初松魚(かつを)」ですが、「目には」となりますと字余りとなるので、「目に」となったそうです。
また、「郭公」は、平安時代以降の読みとしては「ほととぎす」なのですが、現在は「かっこう」と読んでいます。
江戸っ子は初鰹を縁起物として珍重していますが、その経緯は次のように言われています。
天文6年(1537年)、北条氏綱が小田原沖でカツオ釣りを見物していたところ、一尾のカツオが跳ねて船の中に飛び込んできました。
氏綱は「戦に勝つ魚(かつうお)が舞い込んだ」と吉兆を喜び、その後、武州との戦で大勝利をあげました。
このことから縁起のよい魚とされ、江戸で珍重されるようになったそうです。
(一言メモ)
「鰹のタタキ」
別名「土佐造り」とも言われ、元は漁師のまかない料理とされていますが、土佐
藩主の山内一豊が食中毒防止に、傷みやすい鰹の生食を禁じたので、表面を
焼いて焼き魚として食べたのが起源との説もあります。