きょうはとても寒い 最高でも4℃ 庭の霜柱も、野鳥のプールも溶けなかった。 公園に向かうと噴水だけが気炎を吐いて。 晩秋、うぬぼれ屋をうつした池も、底に落ち葉を沈め さむざむと凍っていた。
春は名のみ、せめて心にぬくもりを
室咲ムロザ きの花のいとしく美しく 久保田万太郎
カタコトとスチームが来る室の花 富安 風生
室の花は冬の季語。 春は行きつもどりつ 足踏みしながらやってくる。
この寒さは 冴返サエカヘる ・ しみ返る ・ 寒もどり
季語の好きなものだけ並べ、 初春ショシュンを愛でよう。 春を初、中、晩に分けて初めの春。
初春ハツハルというと 新年である。 二月 俗に 二 ン月(ニンガツ)とも言う。
枯枝に初春ショシュンの雨の玉円マドか 高浜 虚子
水晶玉のような雨のしずくが美しい
まどかさんの手紙…もある。
二月の雲象カタチかへざる寂しさよ 橋本多佳子
いま多佳子の随筆集を読んでいる。
春きざす ・ 薄氷ウスライ(春さき、うすうすと張る氷)・ 下萌シタモエ ・ クロッカス ・ 松雪草
二もとの梅に遅速を愛すかな 与謝蕪村
ぎんねずに朱ヶのさばしるねこやなぎ 飯田蛇笏
ここの小さいケは原文のママ。 ヶは蛙がつけたフリガナではない。 ほんのり赤みがさしている様子は分かるが、どう読もう。
朱け= あけ(朱・緋) 赤い色。 特に朱・緋ヒ・紅。また、赤く染められたもの。緋袍アケゴロモの略
あけのさばしる… なんと、うつくしき日本のことのは 感動する。
わきたつや海の微風の花ミモザ 小池文子
麦を踏む子のかなしみを父は知らず 加藤楸邨
ミモザをたっぷり活けて 大きな絵にしよう。 小さな花のつぶやきを さまざまの黄色で盛り上げたい
撮影 川口市 グリーンセンター 2003.1.6