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今年は 背が高くなったのを切り花にして飾った。 細きうなじ、白き顔して。 独特の強い匂い。 ときおり、 フーと匂い立つ。 個性的な特有の匂いを、 何にたとえよう… スケッチしながらしばらく考えたが、 まったく思いつかない。
しかし、 この歌
歌の解説には 「官能的な匂い…」 とある。 悪臭と思っていたが、 なるほど。
「どくだみの強い官能的な匂いを思うだけで、 あの日の、 蒼白になって迫った恋人のまなざしがよみがえってくる」 と。
恋人の青白い顔とはげしい眼差し。 思い出させる花の匂い。
白秋は、 別れた人のことを思いつづけていた。
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目の前のどくだみは、 清楚である。
知的な美少女に思える。 均整のとれた姿も若々しい。
葉の流れるような曲線も、 ハートの縁取りの葡萄色も 瑞々しくて 楽しい。 純白の十字花、 夕闇の花明かりが神々しい。