退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「まっとうな視座を持つ人と自らの肉体に『裏切られた』人」について

2020-01-24 02:40:58 | Weblog
くもりのち雨。その後晴れる。

吉見俊哉「アフター・カルチュラル・スタディーズ」を読む。

「ただ文化について調べること」ではなく
何が課題なのかについて見据えている視座はさすが。

著者が劇作家・如月小春の周辺にいたことを初めて知る。
グラムシの影響の行方などについても同様に。

序章を読んだだけでその「鋭さ」がわかるといいうもの。
「カルチュラル・タイフーン」という国際交流の場を作った功績も。

戸坂潤、中井正一の名前を久方ぶりに目にする。
もっとも彼らの著作にはちょいと目を通した程度なのだけれど。

もっとあれこれ教えていただきたい存在。

アレクサンドル・アジャ「ピラニア」(’10)を観る。

「リービング・ラスベガス」(’95)が懐かしいエリザベス・シューが主演。
冒頭で死ぬのは「ジョーズ」(’75)では生き残ったリチャード・ドレイファス。

「バック・トゥー・ザ・フューチャー」(’85)のクリストファー・ロイドの変貌ぶりよ。
四半世紀も経てば仕方がないことか。

「87分」という作品の長さでこれだけの内容を描いた「経済」が素敵。
冒頭からしばらく続く「バカ騒ぎぶり」も悪くない。

湖中を裸で泳ぐ見事なボディの女子ふたりの映像のバックには「神聖な音楽」など。
「泰西名画」を思わせる部分がなくもなく。

本作がジョー・ダンテ「ピラニア」(’78)のリメイクであることを知っておこう。
オリジナルの脚本は「フィオナの海」(’94)を思い出すジョン・セイルズ。

プロデューサーのチャコ・ヴァン・リューウェンが
かつて日活の「肉体シリーズ」で活躍した女優・筑波久子であるのも一部では有名。

彼女の日活での同期が小林旭や二谷英明だったり。
ジェームズ・キャメロンの出世作「殺人魚フライングキラー」(’81)もプロデュースしている。

かつて「肉体派女優」と呼ばれた彼女は慶応法学部出身の才媛。
突然の引退の後に語学留学し映画製作に携わるように。

やがてロジャー・コーマンに認められて。
自らが望んだわけでもない「遺伝子による身体」がもたらす「人生」にふむふむ。

なるほど彼女が「美しい肉体を食い散らかすピラニア」に興味を持ったのもわかるような。
「ピラニア」は彼女に勝手なイメージを貼り付けた人々だったと思えばよさそう。
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