う~ん、困った…
大きく首をかしげているのは、1939年製のプリムス№71。
丸いドーム状のフィラーキャップと、調整式空気窓を持つレアモデルなんですが、
いかんせんこのようにバーナーカップ、いわゆるチューリップが根元で大きく歪んでいる。
恐らく以前頭から落ちちゃったんでしょうね。
(その際衝撃で空気窓調整レバーがもげ落ちたようで欠品でした)
さて、そういうわけで今回はこれをまっすぐに修正します。
まあ、素材が柔らかい真鍮なので力業で何とかなるのですが、
やみくもにヘッドを持ってエイっと力を入れれば、
問題個所以外の部分、
例えば、チューブの根元やカップの円周部が歪んでしまう可能性が高いです。
そこで、こういう時私は次のようなやり方で修正作業を行っております。
前述のようにストーブのほかの場所を痛めぬよう、まずはカップのみを分離し、
また力任せではなくテコの原理を利用して力を加えます。
つまりうこういうこと。
カップの根元に棒を通し、それでもって抉るように力を加えます。
なお、この際カップのねじ部分を痛めぬように、太さのあった木の棒を使うのが理想ですが、
画像のように、金属棒でもネジ部を神を幾重にも巻き付け保護すれば使用可能です。
とはいえ、このままでは力がうまくかからないしので、
カップ側をしっかりした板などに固定してからこじってゆきます。
なお、カップの固定に針金等を使用すると、
強度的にカップが負け食い込み凹み型が付く可能性があるので、
真鍮より柔らかい太めのタイラップが便利です。
その後傾きの方向を見定めつつ、力を込め一気に修正するのですが、
その後いったんストーブに組み込み、固定した板の傾きで歪みを確認します。
板を外し単体で見ると、傾き具合がいまいちわからなくなってきますが、
こうして板を固定したままだと、微妙な傾きでも板が大きく傾くんので、
歪みの方向がよくわかります。
なお、歪みの方向が確認ができれば、
カップに直接マジックで力をこめるべき方向を矢印などでマーキングしておくと、
作業時に正確に力をこめることができます。
うん、これくらいならOKかな?
あとは、欠品の空気窓調整レバーを作成して取り付ければ完成だ。
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