堺・アルフォンスミュシャ館のこの春からの企画展。
そのテーマは「おいしいいミュシャ」。
「なにそれ?ミュシャだけにミュシャミュシャ食べるの?」
と、そう思いつつ行ってみた。
最初に結論。
「今回だけは、まず行っておくべき!」
今までの展示会もそれぞれ素晴らしかったけれど、今回はすべてがそれを上回る。
会場に一歩踏み入れた途端目前に広がる景色にまずびっくり!
「なんじゃこりゃ~!?」
超大型のウミロフ・ミラーの前再現された19世紀末の豪華な食卓。
有無を言わさぬ迫力に圧倒されつつ周囲を見ると。
壁にあるのは、道路沿いの店にあるようなかけ看板。
そこには、お酒やチョコ、お菓子などと言った文字が書かれ、さまざまなお店が立ち並ぶ雰囲気。
なるほどなるほど…
ポスター作家として名を馳せたミュシャは、当然様々な製品、商品のポスターなどのデザインも手掛けております。
ですので、最初のコーナーは彼が手掛けた物飲み物のポスター、ラベル、並びに食器などの調度類のデザインなど。
これらは、デザイン画のみならず当時の製品化された実物も数多く展示。
これらのレアな品々を直に見れるというのは何とも貴重な体験!
果てはミュシャ監修の豪華な晩餐会のメニューまで実際に再現するほどのこだわり様!
てなわけで、文字通り「おいしい味覚」を堪能!
今回の展示はこのような感じで、こののち「嗅覚」「触覚」「視覚」「聴覚」と順々に味わえるのですが、
そのどれもが本当に展示方法、内容ともに凝っていて楽しいったらありゃしない。
嗅覚ではミュシャの代表作である「四つの花」のそれぞれをイメージた香水を調合し実際に嗅げ、
触覚では、彫像やアクセサリーを中心に、
聴覚では「ロレンザッチオ」の当時の劇中楽譜を再現し演奏。
視覚はね、もう言わずもがなでしょう?
こういう感じで、今回の展示内容はいわゆる美術館の枠を超えている!
ある意味これはもうテーマパークだ。
おまけに、階下の第三展示室ではミュシャといえば「JOB」というファンも多いほどに人気のJOBのコーナーが!
このJOBというのは当時大人気であった「たばこ用巻紙」のメーカーなのですが、今となってはいまいちわかりづらい。
ざっくり言うと、当時のたばこの主流は、噛みたばこ、嗅ぎたばこ。
むろん煙を吸うのもあったけど、その多くはパイプで吸うタイプ。
また鼻から煙を出すのは下品という風潮もあり女性の喫煙は多くなかったとのこと。
そこに、刻みたばこを紙で巻いて行う喫煙方法が取り入れられ、そこに目を付けたのがJOB社。
刻みたばこを巻くための専用の紙をおしゃれにアレンジして発売したのがを大ヒット!
併せて女性キャラを多用したスタイリッシュなポスターが人気を博し、一気に大人気!
そのポスターで最も有名なものがミュシャのあれなんです。
そういうわけで、ミュシャとは深いつながりのあるJOB。
ですが、案外その製品、会社のことはよく知らないままというミュシャファンの人もかなりいるはず。
無論私もその一人なので、今回は本当に興味深く楽しめました。
いや~、ほんと濃くて上質な時間を堪能できた。
これで入館料500円は、破格すぎるぞ!
だからもう一度言っておきますね。
「今回だけは、まず行っておくべき!」
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