最高の肴

「肴（さかな）」とはもちろん、いわゆる酒のあてのことで、
当初は「酒菜」と書きました。
文字通りお酒とともに食すのにとても相性が良い食べ物という意味です。
よく勘違いされますが、「魚」＝「肴」ではなくて、
数ある食べ物のうち、最も酒に適していたのが「魚」であったから、
「魚」を「さかな」と呼ぶようになったのです。
つまり、「魚」と「さかな」と呼ぶのは本来間違いで、いわゆる当て字のようなもの。
だから正しくは「うお」と読まなければならないのです。

さて、前置きが長くなりましたが、
昨晩はジムの休館日だったので、私は夕飯を作りながら機嫌よく飲んでおりました。
（休館日が休肝日でないとはこれいかいに！）
肴は、出来立てのタイのこ子、シイタケのバター焼き、山芋ステーキにぎんなん。
酒は天野酒（あまのさけ）。

そんな感じで機嫌よく飲んだ後は、〆にとろろご飯をかっこんでそそくさとガレージへ。
そこに待つのは、バッテリーが壊れて動かなくなったハーレ。
前回は間違って注文しちゃったバッテリーですが、
今回はちゃんと確認して注文し、それが届いたので取り付けに向かったのです。

そういうわけで、予備充電も済ませ、よいしょと抱えて積み込んで、
ショートさせぬよう気を付けながら配線を接続し、さあ、どうかなとキーをひねる。

あれ？
インジケーターが全く反応しない…？

もしや間違って古いバッテリーを積み込んだ？
そう思い確認するも、間違いなし。
まさか、不良品？？
そう思いテスターで確認すると、十分すぎるほどにバッテリーはビンビンだぜ！

ではまさか、バッテリーではなく、車体本体に異常が…？？

いやいやいや、落ち着け。
もう一度一からやり直してみよう。

そう思い、つないだ配線を再び外し、バッテリーをよいしょと引き抜くと…

あ？！
バッテリーの下に赤色の配線が…

これはあなた、イグニションキーへとつながるメインのプラス配線ではないですか？！
つまりは、配線のし忘れで、これじゃあ、電気が通じるはずがナイナイナイ！

「おっかしいな～、何で忘れたかな～？」

と独り言ちる姿はまさに酔っ払い！
嫌だね～。

そういうわけで、今度こそしっかり配線しなおしてバッテリーを納めてキーをひねる。

ぴかっ♪

うんうん、ちゃんと光った♪

で、ついでにセルの回りを確認するためにスタータースイッチを押してみると、
ギャギャギャギャギャ！
とても力強く回るので、これでもう大丈夫そう。

と、ここで時計に目をやると、まだ８時前。
ということは、世間の皆さんはお家でテレビなどを見ているころだから、
少々大きな音がしても、そうたいして近所迷惑にならないよね？

てなわけで、調子に乗って、そのままガソリンコックを開き、
チョークレバーを引き上げて、再びスタータースイッチに指を。

ギャギャギャギャ…　ドゥルン！ルンルンるん♪

お～、かかった♪かかった♪
無事エンジンがかかった～♪

なんやかんやで二か月ぶりに聞き、感じた、エンジン音とその鼓動！
これがまた嬉しくて気持ちよくて、
そうだ！こりゃやっぱ祝杯を上げにゃ！

てなわけで、ガレージの奥にある冷蔵庫へ向かう。
ちょうど、前日友人が買ってきてくれた、奈良のお酒「春鹿」がそこにあるのだ！♪


てなわけで、乾杯♪

さすがに大きな音なので、アイドリングは数分で済ませエンジンを切ったものの、
ガレージ内に立ち込める排ガスがまだ先ほどの鼓動をそこに残す。
それが嬉しくもう一杯♪
軽やかで爽やかなお酒の香りをかき消すように、
残る排ガスが鼻の奥を刺激するけれど、それもまたよし！
目の前のごっつい鉄の塊と相まって最高の肴となっております。

そう、「魚」が「さかな」に転じたように、私らバイク乗りには「バイク」も「さかな」足りえる！
だから、酒飲みの友人が各地の美味そうな「肴」をアップしてきてはいるけれど、
なんのなんの、こっちのこの「バイク（さかな）」も全然負けてへんぞ！

てなことを思い、にやにやした、そんな昨晩でありました。

ちゅうわけで、音澤よ。
また、こっち側へ戻ってこんかい？