Natal(ナタウ・クリスマス)
年末の時期に旅行したポルトガルでクリスマス限定スウィーツに出会った。ドライフルーツと粉砂糖で化粧をしたリングケーキが、デコレーションリースのように華やかに店先に並んでいる。ボーロ・レイ(BOLO=ケーキ REI=王様)と呼ばれるこのスイーツは12月24日から1月6日の期間に食べるポルトガルの伝統菓子。キリストが生誕する日に始まるクリスマスは、東方三博士がお祝いを持って訪ねた日と言われる1月6日まで続き、その中で新年を迎えるのである。
イーストを使って発酵させた生地の中にはアーモンド、胡桃、松の実がたっぷり。特別なのは、ケーキの中に乾燥したソラマメ一つと人形や動物の小さな飾りを一つ入れて焼くこと。切り分けた時にソラマメが入っていた人は翌年のボーロ・レイを用意する役となる。また人形があった人は一日、王(王妃)様でいられる、つまり新しい年の幸運を当てたことを意味する。
フランスのガレット・デ・ロア(同じく王様のケーキ)やコインを入れたギリシャのヴァシロピタも同じ趣向。あっという間に過ぎる一年とはいえ、平凡な中にも悲喜こもごも様々な出来事がある毎日。新しい年に幸あれと願う人々の気持ちはどこの国でも共通、そんな思いを大いに盛り上げてくれるスウィーツである。今年のクリスマスケーキをホームメイドされる方、幸運の飾りやコインを入れて焼いてみてはいかが?初詣のおみくじとは違った楽しみ方ができるはず。(さ)
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更にクリスマスを散歩 エジプト、イタリア、イギリス、ギリシャ、スペイン、イラン
フランスもそうすれば、毎年ガレット・デ・ロワを誰が買うかなんて考えなくて済むのに!
ガレット・デ・ロワも、もともと乾燥ソラマメだったのが、陶器製のお人形に代わったらしく、今でもお人形を『フェーブ』(ソラマメ)と呼んでいます。
フランスでは、最近は宗教色が薄くなり、クリスマス頃から売られるようになりましたが、やぱりエピファニーの日に食べたいですよね。
ポルトガルにはおそらくフランスから伝わったのだと思いますが(そこまでは調べたところに載っていませんでした)、ソラマメと人形の両方が残ったということになります。来年のケーキを誰が準備するか決まっているのはいいですよね。
で、このボーロ・レイ。似たようなのがイスタンブルでも見かけます。でも、あれは多分フランスのガレット・デ・ロアを真似して作っているんだと思います。しっかりとした重みのある香ばしいパンのようなもので、ちょっと高いんですけど、素朴で美味しかったです。でも、宗教的な意味合いはないんで、中には何も入っていませんでした。(笑)
クリスマスから新年にかけてのお祝いの食べ物、歴史ある国ですから、ポルトガルにも色々とありそうですね。
http://www.kanshundo.co.jp/sweet/win/shogatu.htm
葩餅(はなびらもち)、食べたことがありますが、これ、正月菓子だったんですね。
ところでボーロ・レイに似たケーキがイスタンブルにもあると聞いて興味深く思いました。ガレット・デ・ロアの真似なんですね。お値段が少し高めというのは季節限定商品だからかしら。
ポルトガルのお祝いの食卓、いつか体験してみたいです!
今回は日本の正月菓子について、ありがとうございます!甘春堂のサイト、嬉しく拝見しました。見ているだけでも華やかな気持ちになりますね。干支や歌会始のお勅題をテーマにした菓子はいかにも日本。
はなびら餅、以前、初釜の濃茶席の菓子として出たことがあります。正月菓子としての位置づけなんですね。