地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

クリスマス

2006-12-26 15:35:22 | ポルトガル語

Natal(ナタウ)

 日本にいると忘れてしまいそうになる、クリスマスの本当の意味。しんと冷え込む夜の街に点滅するイルミネーションやショーウインドーの装飾は私たちを華やいだ気持ちにさせる。宗教的背景が違うからそれで十分かもしれない。でもキリストの誕生を祝う神聖な日であることを心のどこかにとめておきたいといつも思う。

 臨月のマリアは夫ヨセフと共にユダヤのナザレから住民登録の為にベツレヘムへと旅立つ。登録のために人出が多く、宿はどこも一杯。産気づいたマリアが立ち寄ったのが馬小屋。牛や馬、羊が見守る中、イエス・キリストが誕生した。夜空には天使が歌い、大きな星が輝いて救い主の生誕を人々に知らせ、それに導かれて東方三博士が祝いの品を持って訪れた聖なる夜だ。

 リスボンの博物館で、聖夜を描いた美しいアズレージョ(装飾タイル・写真)に出会った。街のあちらこちらで出会うことが出来るタイルはポルトガルを代表する伝統工芸。旅情とせつなさを誘う青と白の魅力は言うまでもなく、落ち着いた色彩を使った優品も沢山ある。(アズレージョに関してはポルトガル語「花」の記事をご覧ください。)

 命の力と希望、ぬくもりに満ち溢れている赤ちゃんの誕生。そこに聖夜としての風格が備わったアズレージョは、まさに一幅の絵画である。かつては教会の祭壇画として用いられたという解説があり、無名のタイル職人の手による作品であることを知った。深い信仰によって成し遂げられた仕事である。(さ)

いつもありがとう!Obrigado(オブリガード)                            

25日が過ぎて日本はお正月一色ですが、欧州では1月 6日までクリスマスの装飾もお祝いムードもそのまま。『地球散歩』もクリスマスの記事が続きます。ヨーロッパを旅している気分で、またのお越しを!お帰りにはクリックもお忘れなく。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
valvaneさん (さらさ)
2007-01-04 22:24:35
valvaneさんが同じような考えをお持ちだと知って、とても嬉しく思いました。近いうちにそちらへも伺います。
私はキリスト教の学校で育ったこともあり、楽しいだけ、またクリスマス商戦!!的な雰囲気には長いこと違和感がありました。アテネで暮らしているときには、本来のクリスマスを味わえて嬉しかったです。
ハロウィンもバレンタインもそうですが、本当に日本人は何でも取り入れてイベントにしてしまうんですよね。
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クリスマス (valvane)
2007-01-03 13:02:37
日本にいると、その意味なんて考えることもなく、楽しげなムードに押し流されてしまいがちですよね。ケーキ食べて、シャンパンないしワインを空けて、プレゼントを贈って… おしまい。

多くの人に気軽に触れてもらうためにも、それはそれでいいと思うのですが、かと言ってあまりに商業チックになってしまうと、好きになれません。わあっ!と楽しさだけを強調するなら他のブログサイトさんで充分なので、私も本来の意味を考えよう的な趣旨でエントリーを書いたりしています。
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kyotakabaさん (さらさ)
2006-12-30 21:33:47
日本では祭日の意味を考えて過ごすというよりも、単なる休日という感じですよね。ギリシャは祝日の多くが宗教関連のせいか、盛大なミサがあったりして「何の日」なのか意識してしまいます。精神的な日が続くという意味では、やはりクリスマスとパスカ(これが一番)でしょうね。
日本の場合をもう少し考えてみました。お正月は七草粥、鏡開きなどと一応は継続はしていますね。あと京都の祇園祭は国民的な祭日ではありませんが、山鉾巡行前後にいろいろな関連行事があったと思います。

kyotakabaさんもよいお年を!
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聖夜 (kyotakaba)
2006-12-29 21:28:32
 こんにちわ、いつも、面白く拝読しています。
そうですね、今の私の頭の中では、クリスマスに限らず、どの祭日もその一日だけ、のように考えています。ある期間、精神的な日が続くというようには考えていませんね。古くからの祭事を伝えている地域の人は、そうではないのかもしれません。心が貧相だと言われそうです。たまには、聖なる夜々を思ってみるものでしょうね。
 では、よいお年を。
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Beijinglotusさん (さらさ)
2006-12-29 17:05:12
今、日本はお正月準備でどこのスーパーもデパートも大勢の人で賑わっています。おせち用品やお飾りなどが溢れていますよ。数日前のクリスマスは・・?という感じで切り替えが早いですが、お正月は伝統行事なので仕方ないですね。
年越しの頃のヨーロッパは静かなクリスマスの雰囲気の中で迎えるようで、これもなかなかです。
北京のクリスマス飾りも素敵でしたよ!
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しばらくは♪ (Beijinglotus)
2006-12-28 23:50:40
続いて欲しいクリスマスですよね!
せっかくきれいなのだからすぐに消えてしまうのは、ちょっと残念ですね。
ホント日本にいるとクリスマスの本当の意味を忘れてしまいがちですが、こういうことを知って過ごす静かなクリスマスもいいな~と思います。
北京はまだまだ発展途中の段階ですし、
クリスチャンも人口の10%以上いるので
本来の意味も大事にしてクリスマスを過ごせるようになるといいですね。
まだまだクリスマスに浸っていたいので、
今後も楽しみにしています☆
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オルサさん (さらさ)
2006-12-27 23:44:48
ご指摘ありがとうございます!キリスト教の学校で育った為、生誕の場面は暗記するほど話を聞いたり、劇をやったり・・。そんなこんなで、すらすらと書いてしまいましたが、やはり年月で記憶も曖昧になっていました。ヘロデ王がベツレヘムとその周辺の2歳以下の子供を皆殺しにし、ヨセフの夢に「家族揃って逃げよ」との天使のお告げがあったのは、生誕後でした。

本当にクリスマスは華やかで楽しい冬の一大イベント。長く続いて欲しいけれど、日本の場合は25日過ぎるとお正月モードになりますね。
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Unknown (オルサ)
2006-12-27 21:54:04
マリアがベツレヘムに向かったのは、住民登録のためだったと記憶しています。
http://www.ocjc.ac.jp/osirase/06/2006_christmasmsg.htm

冬の祭り クリスマスが25日で終わってしまわずに、1月6日まで続いてくれると、楽しい気分を持続できそうでいいですね。葉が散ってしまって味気ない落葉樹ではなく緑色のクリスマスツリーに、花咲く庭の代わりに綺麗なイルミネーション。クリスマスが無かったら、どんなにつまらないか、このシーズン。
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