تلفون (ティリフォーン)
エジプト人は電話魔である。とにかく電話が好きだ。一日一度は友達に電話して、声を聞く。声を聞く暇がないとか、金銭的に余裕のない人は、ワン切りをする。携帯電話の場合、誰からかかってきたがわかるので、ワン切りでも十分、「元気かい?君の事を想っているよ」が通じるというわけである。
当然長電話である。もう、遊びに来たほうが早いのではないかと思うぐらい、長い。
長いのは話だけではない。コードも長い。コードレス電話機や、子機はまだそれほど普及していない。
イスラームの女性は、大抵家の奥にいる。男性は、玄関に近い客間にいることが多い。電話は家の真ん中にあり、かかってくると、その長いコードが大活躍する。
でっぷりと太ったおばあさんが、自室から動かずに子どもに電話を持ってこさせるのは良くあることだ。と、これは家庭の話。
携帯電話は普及しているものの、公衆電話も廃れていない。公衆電話会社は何社もある。それぞれカードが違うので、かけたいと思ったとき、目の前の公衆電話のカードを持っていないとかけられない。そこで、公衆電話近くのキオスクで、カードを買おうとすると、売っていないことが多い。なぜか?一つ思い当たることがある。
写真の、道路っ端に出ている家庭用電話。実はこれぞ、元祖公衆電話である。キオスクには電話が置いてあり、誰でも使っていいことになっている。使用料は1通話18円ぐらいで、いわゆる公衆電話よりも割高。市外にかけたり長電話は嫌がれれるが、カードがない時や、携帯の充電が切れたり、プリペイド(エジプトでは基本的にプリペイド携帯)の残額が少ない時は、大変助かる。
目の前の公衆電話のカードを売るよりも、「うちの電話を使って欲しい」という希望があるのではないか?
この電話、旅人が使うのにも大変便利。国際電話をかけるなら、カードを買ったほうが断然お得だ。でも、一回だけ、ホテルにかけたい。または迷子になったから、地元の友達に電話したい時や、公衆電話の使い方が判らない時は、キオスクへ行こう。キオスクのおじさんやおばさんに電話番号を見せれば、かけてもらえる。この時、カイロからアスワンなど、長距離だと断られることもある。
有人公衆電話、これからもなくならないで欲しいものである。[a]
ちょっと古いが、エジプトの電話事情についてはこちらも読んでね!
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携帯を忘れると不便ですね。
エジプトでは、「仕事がなくなるから」という理由で、自動改札は導入しないそうです。日本も人ありきの世の中を見直してもらいですね。
日本でも、昔は電話の貸し借りがあったと思いますが、今では公衆電話自体が非常に少ないし、こういった電話を借りるコミュニケーションのとり方ができなくなりつつありますね。
面白い話ですね、これ!
ホテルでかけるように!
いろんな商売が、ちゃんと成り立つように考えているイスラーム商法って、すごいです。
この有人電話は、残って欲しいものです。