小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

地域医療対策特別委員会視察研修:1日目

2008年12月01日 | 研修報告
今日から1泊2日で、議会の地域医療対策特別委員会の視察研修です。
1日目は、愛知県東栄町の国保東栄病院を訪問して、病院の再生(民営化)の取り組みについて研修しました。(写真)
この病院の再生事例は「まちの病院がなくなる:時事通信社」の著者で、現在、高浜町の地域医療ワーキンググループにも参加いただいている伊関友伸先生の著書に紹介されています。

愛知県東栄町は愛知県の東部奥三河地域に位置し、人口は約4千人、面積は123平方キロで人口減少と高齢化の過疎の町です。
町立の国保東栄病院は、北設楽郡唯一の病院として地域の医療を担ってきました。病院の規模は一般病棟40床、療養病棟29床と2つの診療所を抱えています。
この山間部の小さな町立病院にも、全国の自治体病院が抱える経営赤字という深刻な悩みがありました。
累積の赤字額が大きく膨らみ、町の財政を圧迫し、このままでは3年ともたない事態に陥りました。
このため町では、「総務省の公営企業等経営アドバイザー派遣」によって、外部の人材による改革委員会を立ち上げて検討を重ね、「東栄病院改革基本方針」を策定しました。

具体的には、東栄病院を地域の医療機関として存続させるために公設民営化で運営することとし、受け皿として東栄病院の職員で医療法人財団を設立します。
そして、民営化以前の累積赤字は町が清算し、3ヵ年で老朽設備を整備するとともに、病院施設、医療機器等は長期間の無償貸与としました。

公設民営化後には、努力したものが報われる人事制度や給与体系の導入、職員研修の充実や資格アップ(例えば準看護師⇒看護師)などの改革により、病院経営は劇的に改善しました。

伊関先生も著書の中で触れておられますが、組織の意識改革に必要なことは外部からの刺激であるということです。自分たちの置かれた問題を外部委員会に提起されて、客観的な事実に直面して、始めて問題の大きさに気付き「変わらなければ」という意識になるということです。

研修終了後は名古屋まで戻ってホテルに宿泊しました。