映画の感想をざっくばらんに、パラパラ読めるよう綴っています。最近は映画だけでなく音楽などなど、心に印象に残ったことも。
パラパラ映画手帖
No569『十三人の刺客』~まるでドキュメンタリーのような~
2010-06-13 / 映画
クライマックスの53人の藩主の軍勢と
13人の刺客との対決シーンは
まるでドキュメンタリーのように凄かった。
街道筋の小さな宿場町をまるごと罠に仕立て
丸太を組んで道を行き止まりにしたり、
道の上に、屋根のように丸太を組んで、上から槍で突けるようにしたり、
そんな現場で、まさに13人と53人とが死闘を繰り広げる。
細い路地を、手持ちカメラが、肉薄するかのような近さで、
侍たちを追いかけていく迫力の凄さ。
延々たる時間も含めて、
この凄さは、まさにドキュメンタリーだと思った。
西村晃、里見浩太郎の活躍が特に印象的で、
敵兵の半兵衛を演じた内田良平もいい。
最後、戦いが終わって、仲間の刺客があちこちで息絶えているのをみて
呆然と道の真ん中に立ち尽くす生き残りの刺客たち。
ふとシーン変わって
いきなり、
どろどろの田植えをしたばかりの田んぼで
めいっぱい足を泥にとられながらも、
必死で進もうとしている侍の足がアップで映る。
この唐突な場面転換には驚かされた。
その侍が、狂ったように、大声で「かかか」と笑うのを
俯瞰で写して、映画は終わる。
風にとばされて木にひっかかったぼろきれみたいに
怒涛のような戦いの後に、侍の虚しさみたいなものが、心に残った。
とりわけ西村晃の死に様は悲しかった。
よく観てると、何人も斬らなきゃいけないので
刀を何本もあちこちの俵に突き刺して隠していて
刀をとっかえひっかえしては戦っていた。
半鐘が鳴って、無事、藩主の命を奪ったという本懐を遂げた知らせに
喜び、油断が出たのか、
替えの刀を手にとることさえできず、
むざむざと命を奪われてしまう悲惨さ。
この映画、実は冒頭の語りから、観客をすっと入り込ませる。
門前での家老の自害をロングでうつし
どう解決しようかと、老中が、暗い広間に集まり相談。
なにやら不穏なことが展開していくという導入が
とても上手いと思った。
映画友達と皆でつくった映画同人誌のような「映画の紙礫」で紹介しようと
以前観た記憶を掘り起こしたが、
存外、自分が記憶の中で脚色しているのもわかった。
気に入ったシーンは、心の中でよりすばらしく長くしているようで、
今回、2年ぶりに観て、案外短いシーンだったのだなと思ったり、
橋のイメージも、あんな道幅がなかったような気もして、
でも、やっぱり傑作は傑作でした。
ぜひ、秋の三池監督によるリメイクではなく、
この1963年版の本作をとくとご覧あれ!
13人の刺客との対決シーンは
まるでドキュメンタリーのように凄かった。
街道筋の小さな宿場町をまるごと罠に仕立て
丸太を組んで道を行き止まりにしたり、
道の上に、屋根のように丸太を組んで、上から槍で突けるようにしたり、
そんな現場で、まさに13人と53人とが死闘を繰り広げる。
細い路地を、手持ちカメラが、肉薄するかのような近さで、
侍たちを追いかけていく迫力の凄さ。
延々たる時間も含めて、
この凄さは、まさにドキュメンタリーだと思った。
西村晃、里見浩太郎の活躍が特に印象的で、
敵兵の半兵衛を演じた内田良平もいい。
最後、戦いが終わって、仲間の刺客があちこちで息絶えているのをみて
呆然と道の真ん中に立ち尽くす生き残りの刺客たち。
ふとシーン変わって
いきなり、
どろどろの田植えをしたばかりの田んぼで
めいっぱい足を泥にとられながらも、
必死で進もうとしている侍の足がアップで映る。
この唐突な場面転換には驚かされた。
その侍が、狂ったように、大声で「かかか」と笑うのを
俯瞰で写して、映画は終わる。
風にとばされて木にひっかかったぼろきれみたいに
怒涛のような戦いの後に、侍の虚しさみたいなものが、心に残った。
とりわけ西村晃の死に様は悲しかった。
よく観てると、何人も斬らなきゃいけないので
刀を何本もあちこちの俵に突き刺して隠していて
刀をとっかえひっかえしては戦っていた。
半鐘が鳴って、無事、藩主の命を奪ったという本懐を遂げた知らせに
喜び、油断が出たのか、
替えの刀を手にとることさえできず、
むざむざと命を奪われてしまう悲惨さ。
この映画、実は冒頭の語りから、観客をすっと入り込ませる。
門前での家老の自害をロングでうつし
どう解決しようかと、老中が、暗い広間に集まり相談。
なにやら不穏なことが展開していくという導入が
とても上手いと思った。
映画友達と皆でつくった映画同人誌のような「映画の紙礫」で紹介しようと
以前観た記憶を掘り起こしたが、
存外、自分が記憶の中で脚色しているのもわかった。
気に入ったシーンは、心の中でよりすばらしく長くしているようで、
今回、2年ぶりに観て、案外短いシーンだったのだなと思ったり、
橋のイメージも、あんな道幅がなかったような気もして、
でも、やっぱり傑作は傑作でした。
ぜひ、秋の三池監督によるリメイクではなく、
この1963年版の本作をとくとご覧あれ!
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