映画の感想をざっくばらんに、パラパラ読めるよう綴っています。最近は映画だけでなく音楽などなど、心に印象に残ったことも。
パラパラ映画手帖
No576『ミスター・ノーボディ』~老ガンマン、ヘンリー・フォンダへのあこがれ~
2010-06-24 / 映画
恥ずかしながらマカロニ・ウエスタン映画を観たのは初めて。
同じ登場人物が出るたびに、派手な音楽が流れ
最初、少ししつこくも感じたが、
観ているうちに段々慣れて、後半は麻薬のように、心地よくもなった。
考えたら、東映のやくざ映画の任侠の主題歌のようなものかもしれない。
冒頭、鶏が行きかい、犬が寝ている。
その奥、向こうの方から3人の馬に乗ったガンマンが近づいてきて、
ピントは鶏から3人へと移る・・
床屋のドアの鈴が音をたてて開き、少年は3人のガンマンの姿におびえる。
人気のない村。
この雰囲気がいい。
3人のガンマンは床屋に押しかけ、少年と床屋を奥に閉じ込め、
偽床屋に扮して、やってくる老ガンマンの命を狙う。
この早撃ち老ガンマンを演じるのがヘンリー・フォンダ。
優しげな顔つきは、
観ているだけで、なんだか目を細めてうっとり眺めてしまう。
西部劇に床屋のシーンはつきもの。
偽床屋と、窓の外に位置する2人。
外の1人は馬の毛並を磨きながら、銃に手をのばす。
磨く腕の上から下への動きと
床屋がフォンダのひげをそり、上から下へと動くのとが
続いて映される。
ひげそりが終わり、鏡に向かうフォンダとの撃ちあいは、
あまりに早過ぎて、誰がどう撃ったのかわからないぐらいだった。
でも、おもしろい。
ノーボディと称する風来坊の変な若者がフォンダにつきまとう。
テレンス・ヒル演じるノーボディが、すてきだった。
彼のテーマメロディも爽やかで忘れられない。
老ガンマンにあこがれ、慕いながらも、
フォンダの命を狙いかねない危険さも打ち消せない。
帽子の撃ち合いでフォンダと向き合ったり
酒場で、酔っ払いながらの早撃ちの賭け、
恐怖屋敷みたいなところに逃げ込み、
鏡で何人にも見える中での撃ち合いのおもしろさ。
ノーボディだけの時は、少しコメディタッチにもなり、
古典的なギャグみたいなシーンに笑った観客は少なかったけれど、
私は、テレンス・ヒルも大好きになった。
そして、クライマックス。
フォンダが線路横に、ライフル2挺傍らに立つ。
砂煙とともに馬に乗って、遠くからやってくるのは、
150人もの「ワイルドバンチ」こと乱暴なガンマンたち。
一団となって押し寄せてくるど迫力。
フォンダが老眼鏡をかけ、目を細め、銃を握る表情がすてきだ。
彼を、ロングで映すうしろ姿の美しさ。
もう、ただうっとり。
ワイルドバンチが現れるたびに鳴らされる派手な音楽も、もう気にならない。
フォンダが出した切り札は、絶対秘密。
このクライマックスをひそかに用意したノーボディと
フォンダとの友情がとてもよかった。
フォンダを見送って
ノーボディが背中にかけた馬の鞍が、ハート型にみえ、
港を颯爽と歩いていく後姿は
フォンダに幸運を届けた、天使の翼のようにもみえたのは
私だけだろうか。(やっぱり私は単細胞だと思う)
引退して欧州でゆったり過ごそうと考えるフォンダ。
最後の手紙のシーンで、バックに映っていたのは
ミシシッピの蒸気船のようにもみえたが、どこだろう。
フォンダをたてるノーボディの思いがうれしい。
この映画の前に観た『野獣暁に死す』では、
仲代達矢ガマカロニ・ウエスタンに登場するということで、
大いに期待したのだが、
体力が尽きかけていて、ヌーヴォのパイプ椅子に座っても
眠気を抑え切れなかった。
主人公が一人、二人、三人と、仲間を増やしていくのに
ほとんど同じセリフを繰り返し、同じ音楽を繰り返すのも
なんか薬みたいな感じでおもしろかった。
このしつこさも、ケチャップのように、段々心地よくなるものなんだろう。
あれだけ疲労困憊していても、ヘンリー・フォンダで
一気に吹き返したのだから、やはり、映画はすごいと思う。
同じ登場人物が出るたびに、派手な音楽が流れ
最初、少ししつこくも感じたが、
観ているうちに段々慣れて、後半は麻薬のように、心地よくもなった。
考えたら、東映のやくざ映画の任侠の主題歌のようなものかもしれない。
冒頭、鶏が行きかい、犬が寝ている。
その奥、向こうの方から3人の馬に乗ったガンマンが近づいてきて、
ピントは鶏から3人へと移る・・
床屋のドアの鈴が音をたてて開き、少年は3人のガンマンの姿におびえる。
人気のない村。
この雰囲気がいい。
3人のガンマンは床屋に押しかけ、少年と床屋を奥に閉じ込め、
偽床屋に扮して、やってくる老ガンマンの命を狙う。
この早撃ち老ガンマンを演じるのがヘンリー・フォンダ。
優しげな顔つきは、
観ているだけで、なんだか目を細めてうっとり眺めてしまう。
西部劇に床屋のシーンはつきもの。
偽床屋と、窓の外に位置する2人。
外の1人は馬の毛並を磨きながら、銃に手をのばす。
磨く腕の上から下への動きと
床屋がフォンダのひげをそり、上から下へと動くのとが
続いて映される。
ひげそりが終わり、鏡に向かうフォンダとの撃ちあいは、
あまりに早過ぎて、誰がどう撃ったのかわからないぐらいだった。
でも、おもしろい。
ノーボディと称する風来坊の変な若者がフォンダにつきまとう。
テレンス・ヒル演じるノーボディが、すてきだった。
彼のテーマメロディも爽やかで忘れられない。
老ガンマンにあこがれ、慕いながらも、
フォンダの命を狙いかねない危険さも打ち消せない。
帽子の撃ち合いでフォンダと向き合ったり
酒場で、酔っ払いながらの早撃ちの賭け、
恐怖屋敷みたいなところに逃げ込み、
鏡で何人にも見える中での撃ち合いのおもしろさ。
ノーボディだけの時は、少しコメディタッチにもなり、
古典的なギャグみたいなシーンに笑った観客は少なかったけれど、
私は、テレンス・ヒルも大好きになった。
そして、クライマックス。
フォンダが線路横に、ライフル2挺傍らに立つ。
砂煙とともに馬に乗って、遠くからやってくるのは、
150人もの「ワイルドバンチ」こと乱暴なガンマンたち。
一団となって押し寄せてくるど迫力。
フォンダが老眼鏡をかけ、目を細め、銃を握る表情がすてきだ。
彼を、ロングで映すうしろ姿の美しさ。
もう、ただうっとり。
ワイルドバンチが現れるたびに鳴らされる派手な音楽も、もう気にならない。
フォンダが出した切り札は、絶対秘密。
このクライマックスをひそかに用意したノーボディと
フォンダとの友情がとてもよかった。
フォンダを見送って
ノーボディが背中にかけた馬の鞍が、ハート型にみえ、
港を颯爽と歩いていく後姿は
フォンダに幸運を届けた、天使の翼のようにもみえたのは
私だけだろうか。(やっぱり私は単細胞だと思う)
引退して欧州でゆったり過ごそうと考えるフォンダ。
最後の手紙のシーンで、バックに映っていたのは
ミシシッピの蒸気船のようにもみえたが、どこだろう。
フォンダをたてるノーボディの思いがうれしい。
この映画の前に観た『野獣暁に死す』では、
仲代達矢ガマカロニ・ウエスタンに登場するということで、
大いに期待したのだが、
体力が尽きかけていて、ヌーヴォのパイプ椅子に座っても
眠気を抑え切れなかった。
主人公が一人、二人、三人と、仲間を増やしていくのに
ほとんど同じセリフを繰り返し、同じ音楽を繰り返すのも
なんか薬みたいな感じでおもしろかった。
このしつこさも、ケチャップのように、段々心地よくなるものなんだろう。
あれだけ疲労困憊していても、ヘンリー・フォンダで
一気に吹き返したのだから、やはり、映画はすごいと思う。
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