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No566『座頭市 THE LAST』~鈴の音の記憶~

いやぁすばらしかったです。 息がつまりそうに切なく、思わずむせび泣きそうでした。 座頭市だけでなく、たくさんの登場人物たちの息遣いが、 すぐそばまで迫ってきて、鳥肌がたちました。 冒頭、いきなり石原さとみと市とのシークエンスに泣かされ、 無音のすばらしさ、 木々のざわめき、 五感がすうっと研ぎ澄まされる見事な導入。 香取慎吾くんが重厚な座頭市なんてちょっと無理ではと思っていましたが、 スクリー . . . 本文を読む
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No565『ある日どこかで』~透きとおるような一途な恋~

数十年の時制を超えて恋に落ちる、SF恋愛映画。 いわば、時を超えたひとめぼれ。 冒頭、パーティで主人公の青年リチャードを見つめる 美しく品のよい老女の謎を秘めた登場といい、 すっとひきこまれる。 懐中時計、コイン、ボールと小道具の使い方もうまく、 リチャードを演じるクリストファー・リーヴの 魂を奪われるほどに、恋に落ち、 時間を超えて、彼女に会おうとする姿が ひたすら一途で、懸命で 心優しき好 . . . 本文を読む
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No564井川徳道美術監督のトーク

とりいそぎ簡単なご報告。 画面を観てるとき、そこには、まず役者がうつっていて、 そして、美術がうつっている。 美術監督がつくった世界の中で役者が演技をし、 ドラマが繰り広げられてゆく。 美術は背景にあたるが、 この背景がときにドラマに入り込んできて 観る者の情感を揺さぶる。 美術監督が映画の世界の基本をつくっているともいえる。 という山根貞男さんの前解説ののち、 トークが始まった。 印象的だった . . . 本文を読む
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No563特集上映『美術監督・井川徳道の世界』~いよいよ開幕~

明日から、待望の特集が 大阪九条のシネ・ヌーヴォで始まります。 加藤泰監督の名作5作 『沓掛時次郎 遊侠一匹』『明治侠客伝 三代目襲名』 『車夫遊侠伝 喧嘩辰』『緋牡丹博徒 お竜参上』 『真田風雲録』 タイトルを並べるだけでわくわくしてきます。 20年ほど前、映画を観始めて、映画についての本を読み始めた時、 あちこちで、このタイトルを目にし、 いつか観たいと思いながら、なかなか上映の機会がなく . . . 本文を読む
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No562『谷中暮色』~生き生きと語る谷中の人々~

ドキュメンタリーとフィクションを混ぜ合わせた、ちょっと変わった作品。 このドキュメンタリー部分がよかった。 谷中の霊園の一つで、墓守を30年以上勤めてきたおばあさん。 500以上ものお墓の位置と名前を把握していて、 法事があれば、そのお墓をきれいにする。 お墓に水をかけて、しゃかしゃかときれいに磨き、 お線香とお花を添えたりと、てきぱきした手つき。 この方が全盲だと知り、驚いた。 毎朝5時に起き . . . 本文を読む
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No561『美と芸術の上海アニメーション』~お母さんを探して~

『おたまじゃくしが母さんを探す』という1962年の水墨画アニメを観た。 とある池の中。 卵から孵ったばかりの十匹以上のおたまじゃくしが群れをなして 母さんを探す旅に出る。 きっかけは、最初に出会った仲良しのひよこたちが、 母鶏に甘える姿をみたこと。 おたまじゃくしたちは 「僕たちの」母さんを探しに出かけるのだ。 女性の声で日本語のセリフがつけられていて、 同じ人が何役もこなしている。 えびや . . . 本文を読む
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No560『春との旅』~旅の果てにたどりついた、大切なこと~

小林政広監督の最新作。あの仲代達矢がほれ込んだ脚本という。北海道の漁師だった頑固な老人が、孫娘の春の失業で、「お前は東京へ行け、俺は誰か親類の世話になる」ってな感じで、疎遠だった親類縁者達を順に訪ねていく。足の不自由な老人を一人で放っておけず、春も一緒についていくことになる。身につまされるような話。相変わらず長回しが多い。でも、田中裕子や、淡島千景、柄本明と豪華キャストだけあって、一つひとつのエピ . . . 本文を読む
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