-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

教えて貰うと頭が良くなります。

2020-03-18 21:01:59 | 歴史

 令和2年3月15日、東根市の職業訓練センターで北村山地域史研究会主催の講演会が行われました。新型コロナウィルスで騒がれている時期なので時間を短縮し、椅子などの配置も工夫して感染を防止していました。会場入り口には会長自らが笑顔で迎え、参加者の手に消毒アルコールをプレゼントしていました。この人柄が人を引き付けます。外の役員も同様な魅力があります。

 さて、講演は絵馬に関するお話でした。私はこの絵馬についても素人です。聞くものすべてが初めてのことばかりでした。全国で山形県は絵馬が極めて多いそうです。天童市の若松寺(じゃくしょうじ)の絵馬には、落書が残っていて、その中に「書きおくも かたみとなれや 筆のあと 我はいずくの 土となるらむ」があることを聞いて、はっとしました。「かたみとなれや 筆のあと」は、畑沢の石橋供養に刻まれている「形見となれ3⃣ 筆4⃣跡」を思い出させました。3⃣と筆4⃣は読めなかった文字です。

 絵馬の落書のお陰で大きなヒントを貰いました。講演終了後にネットで調べてみると、この文言は全国の社寺への落書や辞世の句にも使われていたそうです。

 さて、3⃣は「や」であることは間違いないのでしょう。しかし、この石仏の「や」は「屋」をくずした変体仮名と似ている部分もありますが、同じものではありません。それでも「や」の形も含まれています。そこで邪道と謗(そし)られようが、この石仏だけに見られる「や」の変体仮名とすることにしました。意外と真面(まとも)な考え方かもしれません。

 4⃣はもう一度石仏の写真を見ると、薄いシルエットながらも「乃」をくずした変体仮名であることが分かりました。これで「形見となれや 筆の跡」部分の解読作業が終了しました。

 この進歩に喜んで、ついでに他の部分も見直しました。「1⃣石 都合四十八所」の1⃣です。これまで、「運」と見て、「運んだ石」との意味にとっていましたが、その後左側に木偏が現れたので不明として扱っていました。もう一度しっかりと見つめます。「樋」に似ていますが、「通」の上の「マ」となるべきが、「コ」になっています。そのような漢字を見たことがありません。ネットで「通」の異体字を探していると「コ」になっているものがありました。しかし、樋の「マ」が「コ」になっているものはありませんでした。しかし、そもそも異体字は限りなく存在する可能性があります。「コ」になっている樋があっても不思議ではありませんし、「樋」だとすれば面白い解釈が成り立ちます。48箇所で造った橋は、石の樋で水を通したことが分かります。

 中央の列にある「身は朽ち2⃣ 石萬世□残□□て」の2⃣にも挑戦しました。不思議と分かるような気分になりました。2⃣の形は「ん」に似ていますが、上の文字と繋がりません。大分、頭が良くなっていますので、柔軟に考えられるようになっているようです。『ここは「も」の意味のはずだ。その変体仮名を探そう』とパソコンを操作すると出てきました。「」です。ぴったりです。

 お陰様で下の図まで分かるようになりました。ここまで7年もかかっています。まだまだ分からない文字があります。過日、投稿した「粉雪拓本」で解明しなければなりませんが、今冬は期待できません。来冬を待たなければなりません。



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