-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

いつものように間違っていた 「カナチョロ」も

2020-05-08 11:30:00 | 自然

 私の生き物の「種」を見定める(その道の専門家らしき人は「同定」と言います。)力は、かなり貧弱です。キバナイカリソウについても、前回、投稿したとおりの間違いがありました。外にも沢山、あるようです。しかし、今回、幸いにも間違いに気づくことができました。

 畑沢では、トカゲのような爬虫類を全て「カナチョロ」と呼んでいます。当然、私のように鼻たれ小僧の時代のままの凡人には、畑沢にいるカナチョロはどんなものでも一つの「種」と思っていました。ただし、私でもイモリやサンショウウオとは間違ったりはしませんよ。ところが四つ足の爬虫類となると見わけができません。東北などのように涼しい気候の地方にはヤモリがいませんので、カナチョロと言っていれば間に合っていました。さらに、少し分かったように「ニホンカナヘビ」などと言うと、いかにも「種」を確認できた気分になります。

 それが誤りでした。「カナチョロ」は正式な和名ではないにもかかわらず、「カナチョロ=ニホンカナヘビ」と勘違いしてしまいました。きちんと図鑑などと見比べながら確認すれば、かなりの程度、正確に見定めることができたはずです。

 それでは何故に間違いに気づいたと思いますか。それは今から85年前の昭和10年に岩野尋常小学校が著した「葉山風自然研究とその利用方法」を村山市立図書館に何回も通ってから書き写した次の内容を眺めていた時です。

爬虫類

いしがめ

 

あをだいしょう

あをのうす

人家 畑

やまかがし

やまがずへび

山 畑

まむし

くつらへび

山地

しまへび

 

山 畑 田

ひばかり

からすへび

山 畑 田

とかげ

 

石山地

かなへび

かなちょろ

石山地

 書き写し作業の時も、「とかげ」と「かなへび」の文字を見ていたはずですが、単なる映像程度にしか見ておらず、文字が示す内容を認識していませんでした。私の頭には魚しか認知する脳みそしか入ってなかったようです。ところが、先日、この本に書かれていることをある人に説明したいと思い、あらためて眺めていましたら、「かなちょろ」とは別に「とかげ」があるではないですか。岩野地区とは村山市の西部にあり、昭和10年ごろは概して言えば畑沢と大して違わない自然環境だったと思います。とすれば、岩野にカナチョロがいてトカゲなるものがいれば、畑沢にもカナチョロの外にトカゲがいても不思議ではありません。過去に撮った私の「カナチョロ」の写真を見直してみました。すると、別々の写真に写っている「カナチョロ」の体表には明らかな違いが見られました。

 下の写真はヒガシニホントカゲでした。単なる「トカゲ」だけでなく、「ニホン」が付き、さらに「ヒガシ」まで付いています。体表が滑らかです。尾もニホンカナヘビよりも体長に占める割合が少ないそうです。撮った当時、体表がスベスベであることに気づいていましたが、「お腹が一杯になって、体表が伸びてスベスベになったのだろう」と自分の腹と一緒にして考えてしまいました。私は何でも直ぐに理解力らしきものを発揮してしまいます。

 

 次の写真はニホンカナヘビです。春先に撮影したもので、丁度、繁殖期を迎えていて、雄が雌の腹部に噛(か)みついていました。体表は鱗らしきものがザラザラとしており、トカゲとはまるで違います。

 

 二枚の写真は2015年に撮影したものです。5年もの間、私は間違いに気が付きませんでした。何と鈍いことでしょう。

 畑沢の皆さん、常盤地区の皆さん、ひいては尾花沢市出身の皆様、カナチョロの正体は「ヒガシニホントカゲ」と「ニホンカナヘビ」ですよ。


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