-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

チチャコイ修理(素人技術編)

2020-07-22 10:00:05 | その他

 どんな物でも一旦、壊れたら修理することに挑戦します。とても直ぐに捨てることはできません。畑沢で生まれ育って培ったのは、ちょっとやそっとやっただけで上手くいかないぐらいでは 諦めまない根性です。などと大胆な言い方をしてしまいました。あっさり言えば、諦めが悪いのです。

 さて、自転車に乗ろうとしましたが、タイヤの空気圧が足りません。いつもは、空気圧が低い方が抵抗があるので、体力増強に都合が良いと考えています。しかし、余りにも空気圧が低いと、チューブを痛めてしまいます。空気入れで何回もピストンを繰り返しますが、一向にタイヤに空気が入りません。コネクターを外して見ると、下の写真のようにコネクタ―のパッキンが割れていました。

 パッキンを外すとよく見えます。これではパッキンを交換しない限り、修理は無理です。でも交換用のパッキンを買うことができません。でもこんなチチャコイ(小さな)物が壊れただけで、コネクターとホースが一体になっている部品を買い替えなければなりません。ホース部分と金属のコネクター部分は捨てなければなりません。それらは職人が頑張って造ったはずです。私が手づくりしようとしても、及びつかない技術が必要です。「捨てるのは申し訳ない」と思いました。

 そこで、パッキンとなる物を探しました。思いついたのが、パソコンで使うプリンターのカットリッジです。プリンターは大量にカットリッジのインクを使います。廃棄するカートリッジが沢山あり、それを解体した時にインク噴出孔のパッキンがありました。下の写真の〇で囲んだ物です。でも径が大きすぎます。

 

 周囲をカッターナイフで削ってみました。格好悪いのですが、何とか径が小さくなりました。

 早速、コネクターに取り付けました。自転車へポンピングすると空気が入ります。成功です。チチャコイ修理でした。

 

 実は私は予備のホースとコネクターを持っていたのです。しかし、このコネクターは自転車用としては不都合なところがあります。自転車タイヤの空気注入口に固定することができません。ただ差し込むだけです。でも自動車にも空気を詰めることができるので、タイヤ交換時は重宝しています。

 

 その点、大きなクリップで挟み込む下のコネクターが便利です。私はこれを愛用しています。

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草刈 ビフォー・アフター

2020-07-21 10:40:45 | 近況報告

 今年は6月一杯まで日照り続きの状態で、田んぼの水が不足気味でした。稲の生育が心配されたほどでした。しその代わり、畦の雑草の成長も抑えられましたが、7月に入ってからは雨が続き、稲は元気を取り戻しましたが、雑草はさらに元気に伸びました。令和2年7月18日に畑沢へ草刈りに出かけました。

 そして草刈のビフォー・アフターが次の二枚の写真です。特に自慢するほどのものではありません。まあそれでも、私程度でもこれぐらいにできます。田んぼを囲んでいる「三本の線」はイノシシ除けに設置してある電気柵です。高圧電気が流れていて、獣の体がこの線に触れると、強烈なショックを受けます。ただし死ぬほどではありません。

 ビフォー

 

アフター

 

 草刈り作業はひたすら力強くかつ粘り強く行っていましたが、草むらから鮮やか一本の色が突き出していました。ネジバナ(捩じ花)です。普通、この花は群生している場合が多いのですが、ここではたった一本だけでした。昔は畑沢にも沢山、ありました。最近は大変、珍しくなりました。

 この一本を大事に残したいので、この花の周りの雑草だけを刈り取りました。草刈機械での我が熟練した腕前です。粗雑な人間が繊細な技術を使うのですから似合いません。

 

 ところで、大事な情報があります。背炙り峠が7月22日から11月30日まで全面的に通行止めされます。通行止めが解除されるかもしれない12月1日から雪で通行不能になるまでの日数がどれだけあるでしょうか。ほぼ、7月21日までで今年度は背炙り峠を通行ではないということのようです。

 下の図は山形県のホームページを写し取ったものです。例年の工事をするためです。平成26年度ごろから、毎年のように無雪期の大部分を交通止めします。もう7年も通行止めが繰り返されています。工事場所が村山市側へ入ってからの特徴です。過疎化が急激に進んでいる今日においては、7年の歳月は非常に長いものです。私が畑沢で活動を始めてから既に戸数が17%減少し、亡くなった方も多数おられます。私は背炙り峠で行われている工法が適切とは思えません。山岳道路ならそれに合った工法があり、その方が安全で工期も短くできます。百歩譲って、これまでの工法が適切だったとしても、7年もの間、通行に不便を生じさせておくことは適切でしようか。この道路の存在意義そのものを否定している事ではありませんか。何時になったら分かってもらえるのでしょう。

 住んでいる人々の利便性が少しでも増すように努力することが行政の大事な役割です。逆に利便性を減少させるようでは、行政として恥ずかしいことだと思います。安全な通行を目的に行う工事ですが、工事のために通行そのものが重大な支障が生じるようではいかがなものでしょう。

 山形県及び尾花沢職員の行政職員の皆さん、また県・市議会議員の皆さん、どうか再考してください。「過ちては改むるに憚ること勿れ」です。私は一生懸命に暑い中で働いている人たちが好きです。どうか、行政機関はより良い工法を用いて、住民からより喜ばれる工事を工夫してください。それによって工事をして下さる人たちは、より皆さんから感謝されるでしょう。

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天気がギリギリセーフ 畑沢で作業

2020-07-11 19:17:56 | 近況報告

 7月に入ってからは雨が続いています。令和2年7月4日も既に梅雨でした。畑沢で作業を予定していたので、山形から畑沢へ向かっていたのですが、一向に晴れないので心配でした。通常の作業ならば少しぐらいの雨などは支障ないのですが、今回は農道にコンクリートで補修する作業でしたので、雨では何ともできなくなります。

 生コン搬入時間を30分遅らせたということでしたが、天気に変化が見られません。霧のような雨が時たま落ちてきますが、この程度なら何とかなりそうです。

 生コン車がやってきました。小さな農道ですが、それでも舗装する厚さがありますので、それなりの量が必要です。

 ところで人が入っている写真は、プライバシーを守るために全て加工してあります。私の写真加工技術は進化しています。家の形も変形しました。

 

 吐き出された生コンを路面に広げました。その程度の作業なら私でも役に立ちました。問題はその後です。コンクリートの中の気泡を抜いたり表面を均すとなると、ある程度の技術が必要です。とても私には技術がありませんし、いい加減な作業を常道にしている私には無理です。

 

 私ではどうにもならない作業になると、ついつい目が他の方に移ってしまいました。長い日照りが続いた後の雨で、道路脇の草花が活き活きと鮮やかに咲いていました。私の好きなエゾアジサイです。と言っても、ヤマアジサイとの違いが分かりませんので、果たしてどちらでしょうか。詳しい方にお聞きしたいです。

 次に又もや、ややこしい花です。ヒメジョオン(姫女菀)です。一見、昔から日本に咲いている野菊(俗称です。)に似ていますが、花を見るだけで野菊とはかなり異なります。花弁が極めて細いのです。ところが、これと似ているのもあります。ハルジオンです。同じ様に道路脇でよく見られます。今年は6月の初めに咲いていました。それから一か月後、同じ様な花が同じ様な場所に咲いていますので、六月から引き続いて同一種の花が咲いているように見えますが、実は別種に交代していたのです。このことを知ったのは、今年です。ヒメジョオンとハルジオンの区別は、花弁と茎付近の葉の形です。私でも区別できるようになりました。皆さんも試してみて下さい。これらは北米産の植物です。実に「北米産」が蔓延(はびこ)るようになりました。動物ではブラックバスも北米産です。

 千鳥川へも行ってみました。珍しくもマタタビがありました。山の中ならいくらでも生えていますが、川岸に生えているのを初めて見ました。川岸も「山の中化」なのでしょうか。

 畑沢でアジサイを見るなら、「畑沢地区生涯学習推進センター」です。見事です。ついでにこの建物の長い名前も暗記してください。私もまだ暗記できません。

 

 畑沢から山形へ戻る背炙り峠の中に木の実が落ちていました。頭上を見上げて分かりました。栃の未熟な実でした。

 

 峠の湧き水は綺麗に掃除されていました。珍しいことです。一時、湧水量が減っていたのですが、最近は回復したようです。

 

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だから背中炙り峠の楯跡には謎が多かったのか(畑沢の慶長出羽合戦3)

2020-07-07 12:57:16 | 歴史

 今回でこのシリーズの最後です。

 さて前回、慶長出羽合戦が始まるときに、野邊沢軍が楯造りを中止して山形へ出陣し、慶長出羽合戦に突入したことを投稿しました。背中炙り峠の楯造りを中止して山形へ出陣したと思われるのは、背中炙り峠の楯跡の謎が解けたからです。別の言い方をすれば、楯造りを中止したと考えると、背中炙り峠の楯跡の謎は一気に解明したように感じています。

 それを具体的に説明していきます。先ずは背中炙り峠の楯跡の平面図を御覧ください。

 上の図で、黄色で色付けされているのは、これまで謎だった場所です。私が言うところの「謎」とは、単に私が納得できないという事であって、広く世の中で言われている事ではありません。まあ、真面な方ならどうとも感じないのでしょうが、私は素人であるがゆえにやたらと疑問を持ちます。

 さて、疑問があったのは次のことです。

溝の中央が盛り上がってわざわざ渡り易くしてある堀切

猫跨ぎのようにひょいと渡れる小規模な堀切

溝(堀)が見当たらない堀切

登りやすい坂道を付けた堀切のような切岸

平坦に均(なら)さず自然な斜面の曲輪

途中で途切れている帯曲輪

 

 これを順に説明します。

 

  • 溝の中央が盛り上がってわざわざ渡り易くしてある堀切

 抑々(そもそも)、堀切とは地面に大きな溝を掘って、敵を阻止しようとするものです。背中炙り峠にも完全な堀切はあります。堀切Aと堀切Bがそうです。先ず完全な堀切として堀切Aを参考にします。写真だけでは全体像が分かりませんので、模式図も添えます。これで、堀切が尾根を遮断して、敵が攻め込むのを防いでいることを御理解いただけると思います。

 

 ところが、この溝(空堀)となっている中央に土が盛り上がっているのが堀切Cと堀切Dです。下の写真の中で、白線で示している所は土の盛り上がった通路です。私の師匠たちによると、堀切には本来このようなものはなく、「通り易い」堀切では意味がないそうです。教えて貰って初めて分かりました。ごもっともです。

 

 

 それでは何故このような形になっているのでしょう。最初は、「楯が不要になったので、通りやすくするために堀切に土を盛り上げた」ものと考えました。その場合、盛り上げるための土を調達するには、不要になった周囲の土塁などを崩すのが楽です。「楽(らく)をする」は私の大好きな言葉です。しかし堀切の周囲を注意深く調べても、土塁などは崩されていません。とすると楯が不要になってから土を盛り上げたものではなく、「わざと堀切を完成していなかった」と考えられます。次に何故、「完成していなかった」のかが課題です。畑沢側から見て、これらの堀切の奥にはまだまだ工事中の曲輪や堀切が何箇所もありました。完全な堀切にしてしまうと、工事が不便、極まりないことになります。奥の工事が完成してから堀切Cと堀切Dを完成させる計画であったと見られます。これを証明しているのが完成している堀切Aです。この奥では工事がありません。完成させても一切、問題ありませんでした。

 堀切Cと堀切Dでは突然、工事を中断しなければならない大事が起きたと推測できます。楯工事を中断するほどの理由が考えられるのは、最上義光からの山形集結の命令しかありません。事態はかなりに急を要していたことが分かります。

 

  • 猫跨ぎのようにひょいと渡れる小規模な堀切

 堀切にも大小ありますので、一概に堀切としての規模を論じるほどの見識を有しておりませんが、それにしても勢いを付けてジャンプすれば十分に渡ることができるような堀切では役に立たないはずです。それがこの楯跡には三つもあり、北端に一つ南端に二つです。それぞれ端っこですから、重要度は低いでしょう。それにしても役に立たない堀切では造る意味がありません。でも役に立たないのは未完成だからであって、完成すれば「役に立つ堀切」になるはずだったと見られます。

 堀切Eと堀切Fから説明します。

 写真の中で、黄色の2本の線で示しているのが溝の部分です。しかし、幅が2mもありません。人が一跨ぎだけでなく、本当に猫でも一跨ぎできるかもしれません。一般に堀切は尾根だけでなく、谷の方にも溝を長く掘っています。堀切Eの東へ伸びる溝は、はっきりと分かるほどに途中で終わっていますので、敵(上杉兵)が野邊沢兵から突き落とされても、途中で助かってしまいます。堀切Fは両側の谷へ溝を掘り進んだ形跡が見えません。山林の所有者が所有界を示すために掘った溝にも見えますが、この場所について所有界があったとも聞いたことがありません。そして何よりも堀切Fは三の切の谷の突き当りです。一の切、二の切、三の切は、堀切がある谷に付けられた地名だそうです。私が勝手に命名した「堀切(ほっきり)伝説」です。畑沢では堀切(ほりきり)を「ほっきり」と伝えていました。三の切の突き当りにある堀切は堀切Fだけです。所有界を示すものとは考えられません。

 次に楯跡北端の堀切①です。

 縦の主要部からかなり離れています。堀切伝説がない場所です。その点では所有界としての溝とも疑われますが、所有界にしては規模が大きすぎますし、堀切Eと堀切Fよりはずっと真面な堀切らしき体裁を持っています。

 

  • 溝が見当たらない堀切

 次に堀切だろうと思われる尾根の切り方だけが見える堀切②と③です。街道もある場所です。楯を築くためには、街道を移動させようと考えるのが普通ですが、ここは街道の両側に急峻な谷が隣接していますので、街道を移すことができません。この険しい地形は、堀切を造るには最適です。恐らく堀切を造っても、街道を確保するために丈夫な木の橋を渡すことが計画されていたことでしょう。

 この場所は畑沢側から楯へ入る入り口です。ここに頑丈な堀切を造られてしまったのでは、奥のすべての工事に支障が生じます。そこで、奥の方での工事期間中は溝を掘らないで、全体工事が完成した最後の最後に完成させようとしていたのでしょう。ただし尾根の一部を削ってありますので、二つの堀切を計画したであろうことが想像できます。未完成であることを考慮に入れなかった当初は、謎が深くて私の頭はきりきり舞い状態でした。

 

  • 登りやすい坂道を付けたような、堀切のような切岸

 最初にこれを調査した時には、背中炙り峠の楯跡を特徴づける面白い形と思っていました。

 写真中央には上下に伸びている溝らしきものがあり、溝の左には土塁状の土の高まりがあります。溝の右は急な崖になっています。最初、土塁状のものに目を奪われて「堀切」と思いました。ところが、全体的な大きさに比較して溝は極めて浅く、かつ狭いもので、とても空堀の役割を果たしていません。しかも溝は奥へ行くにつれて上がって曲輪へ楽に登ることができます。敵を阻止するどころか全く逆に敵を招き入れてしまいます。そんなものを造るはずはありません。でも未完成なら説明できます。溝の左にある土塁状のものは、まだ削り残っている部分です。これらを削り終えれば、立派な切岸ができるはずだったでしょう。

 同じようにして切岸が完成した姿が切岸Aです。ここは楯の端ですから完成させても支障なかったようです。でも、削り残した部分は土塁のような状態で残っています。下の写真で黄色の線は斜面をなぞったもので、地形を分かりやすくしました。言葉で表現するのが下手なので、さらに断面の模式図も添えました。堀切Bと同じ方法で工事したようです。

 

 

  • 平坦に均さず自然な形のままの曲輪

 平に均されていない曲輪は、曲輪Bの外にも曲輪D、E、Gがあります。それでも輪郭部分は明確に削られており、明らかに曲輪を造ろうとしていたようです。曲輪の中の均し工事は後回しにされています。しかし残念ながらB以外は写真を撮っていません。

 それらに対してほぼ完成している曲輪もあります。主曲輪のFには、櫓台(やぐらだい)が造られ、東と南側にはかなり高い土塁が築かれています。私の師匠たちによると、北東部には「建物跡もある」という事でしたので、楯の工事をしている時にもここを本部にしていたのでしょう。

 

 さらにほぼCも完成しています。

 上の写真では杉林が右の部分を隠していますが、その部分も曲輪になっています。かなり広大な曲輪で楯の最下部にある曲輪です。既に平らに均されていますし、直ぐ近くには良質で豊富な湧水がありますので、工事中には作業員の飯場(はんば)として使われていた可能性があります。また、慶長出羽合戦で山形へ出陣するときにも、集合した野邊沢軍の野営場としても使われていたことも考えられます。谷側の周縁部に土塁はありません。

 

  • 繋がっていない帯曲輪

 曲輪D、F、Gの西側には、帯曲輪が巡らされています。ところがFの所で二箇所が途切れています。隣接している曲輪工事で生じた残土を盛土して帯曲輪を築いたのでしょうが、盛土は脆くて崩れたものと思われます。一旦、造ったものが「崩れた」ならば未完成ではないとも言えますが、崩れやすい状態のまま中途半端にしたならば「未完成」とも言えます。因みに私の場合は中途半端な作業でも「完成した」としているようです。この楯跡調査そのものがそうです。

 

 以上が未完成と考えられる楯の各施設ですが、着工しない大事な箇所があります。曲輪Hの西側です。西から進行してくる敵軍に対しての備えがありません。ここは尾根伝いですので、容易に攻めることができます。何らかの防御策が必要ですが、とても手が回らなかったのでしょう。

 

 これほどまでに背中炙り峠の楯は未完成でしたが、それでも山形へ出陣しなければならなかったほどに、最上軍は急を要していたのです。野邊沢又五郎(後の光昌)は、野邊沢領内の安全を考えれば、心配だらけだったはずです。

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