-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

地質ファン垂涎のストライプ

2020-08-03 17:25:15 | 自然

 山形県内での豪雨災害の後、畑沢の片づけをするために、令和2年8月2日に山形から畑沢へ向かいました。背炙り峠を通ることができませんので、尾花沢か五十沢を回らなければなりません。この日は五十沢回りを選びました。

 五十沢へは国道13号線から左へ曲がり、ぐるっと右へ回転して13号線の下を潜って東へ抜けます。道路右側の集落は横内地区です。

 ところがこの男(私)、いつものように途中で目に付いたものに関心を示してしまいました。今回、初めて見た訳でもないのですが、その時々の気分で関心の程度が違います。しばらくの間、背炙り峠を通っていましたので、この場所は3か月ぶりです。何となく新鮮な印象を持ってしまいました。地面が剥き出しになった縞模様(ストライプ)が鮮やかです。地層が斜めになっています。東へおおよそ45度の角度で上がっています。地層ごとの濃淡が明瞭で、しかも綺麗な直線です。地質ファンなら何時間眺めても飽きないのではと思います。私は地質ファンではないので、興味は直ぐに移ってしまいます。

 

 地質ファンではないにしても、一応、この地質が何であるかを確認する努力はすべきと思っています。私は「噂をそのまま信じない」、「権威ある人物が言っても、納得しない」で、私の目で確認することを信条としています。そこまで言うなら、当然、この大壁面を触るなどして確認すべきでした。しかし、この時の服装は、半ズボンに半袖でした。とても背丈の高い草が生い茂る中へ入れることはできませんでした。やむを得ずにコンパクトデジカメで望遠撮影しました。う~~ん、拡大しても確認できる出来栄えではありません。

 現場主義を第一としている私ですが、文献頼みと相成りました。「土地分類基本調査図(都道府県土地分類基本調査)」の尾花沢です。この図は解像度が低いので、小さい文字が読みにくいこと限りなしです。ましてや老眼で

は、いくら画面を拡大しても自信を持って、これだと言い切ることができません。それでも何となく「ts2」らしい文字があるような気がしました。これを凡例の説明と照らし合わせると、「凝灰質粗粒砂岩」と出ていました。「火山灰が入っている砂岩」とでも言うのでしょうか。地質ファンなら解かると思いますが、名前が分かっても私にはそれ以上に語る能力がありません。ただ、野邊沢城があるお城山の周辺も、この地質だったような気がします。岩の硬さは成分だけでなく、押し固められる状態も関係しますが、特徴は硬いと言えることかと思います。地質図にはこの狭い地域に地向斜と地背斜も示されています。褶曲の力が集中している場所の様です。それでこのように大きく傾いた縞模様になっています。

 ところで、このストライプが見える大壁面は、13号線が大規模に改修されてからだったような気がします。片側1車線が2車線に大幅に拡幅され、起伏ある地形は切土と盛土を行ってなだらかに均されました。その際に不足の土量は付近の山を削ったのではないかと思います。この山はその時に削られたものと推測しました。この壁面を見ると、45度程度の斜面で中腹にはちゃんと犬走も造られています。きちんとした工事があったものと思います。しかし、裸地になっているのが解せません。ちゃんとした工事ならば、表面を緑化していたはずです。しかし、硬い岩盤なので土壌と草の種子を吹き付けた部分が剥離してしまったのではないでしょうか。この周辺の法面でよく見られる現象です。先日の豪雨でも大石田町今宿で法面が崩れました。現場を確認していませんが、今宿の法面崩壊の現場ならこのストライプと近い距離にあります

 一言、忘れていました。畑沢で豪雨のために水路に沢山の落ち葉や草刈りしたゴミがひつかかっていました。水路に前かがみになりながら片付けていると、「ウォ」とでも「ブォ」とでも聞こえる音がしました。不審に感じて沢の奥を覗くと、黒い塊が逃げ去って行きました。畑沢で何度も見ているイノシシの後姿でした。日中でもイノシシが出回るようになっています。

コメント
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