-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

暖冬で思わぬ作業が続きます。

2020-03-01 13:41:27 | 自然

 石仏を調査するために畑沢へ行った(令和2年2月29日)のですが、条件が整わずに今回も断念しました。お陰で時間に余裕ができました。

 普通の年だと雪で見えなくなっているものが、今年は暖冬のために雪がないので、いろいろなものが見えます。その中で気になるのが水路です。水路が塞がって田んぼなどに水が溢れています。

 水路が完全に土砂で塞がり、水路の役割を果たしていません。水路の岸はあるのですが、土砂がそれを覆い隠すほどになっています。当然、水は水路から溢れて田んぼへ流れています。毎年、秋になると大量の山の落ち葉が水路に流れ込んできます。落ち葉だけならまだ何とか流れ下りますが、厄介なのが枯れ木の枝です。ある程度以上の長さの枝は、水路を遮るように引っ掛かります。そこにさらに落ち葉が引っ掛かると、流れは極端に遮られ、土砂も堆積してしまいます。昔は気付いた時に随時、取り除いていたのですが、今は人が少なく、しかも高齢者だけとなり取り除く作業も大変な重労働になってきました。自分の周りの作業だけで精一杯の状態です。とてもここまでは手が回りません。

 上の写真の左側は耕作放棄地です。しかも元々の所有者は亡くなり、引き継いだ所有者も地元に住んでいません。水路の下流は直ぐに千鳥川に流れ落ちますので、このままでも何ら誰にも迷惑をかけていません。そのため長年この状態が続いていたようです。上の写真の右側の土手にも、水路に土砂が溜まりやすい理由があります。この土手は昔ながらものではなく、数十年前に農地改良で盛土されて脆(もろ)くなっています。夏場に生えてくる雑草対策には除草剤を使っていますので、植物の根による土手の抑えを期待できません。これも時代の流れです。村の人口流出と高齢化により農作業できる人が不足して、外部の会社などに貸したり委託するケースが多くなりました。作業する会社などは省力化を図るために、除草剤を使うことになります。とても草刈りをするコストをかけられません。除草剤使用の土手は崩れやすくなり、土砂が水路に落ちます。

 このような背景があっての今の状況ですが、世の中には様々な人間がいるものです。高齢になっても昔の子ども時代のままで生きている人間もいます。

「水をいじりたい」

突然、昔、雪融け水の流れをいじったり、水路に小さな手製の水車を設置した風景を思い出しました。当時、雪に囲まれて水辺から隔離されていた良い子たちが水を見てはしゃぎ始めたものです。高齢者もはしゃいで何が悪い。そうです、善行しながらはしゃいでいいのです。実家の小屋からスコップを持ってきて、水路の枯れ枝、落ち葉、土砂を払いのけました。流れる、流れる、良かった。嬉しいものです。今冬、三つ目の水路の作業でした。下の写真は作業してから数時間後の様子です。確かに流れていますが、幾分、手抜きの感を否めません。水がある程度流れるようになれば、後は水流が水路の底を削ってくれると楽観視していたのです。さらなる作業は次回へ持ち越すことにしました。

 このように水路が塞がれている場所はここだけではありません。山間(やまあい)の沢の水路は、もっと前から水路が塞がっていました。山間の水田が耕作放棄されたのは、かなり早い段階でした。私がブログを始めた7年前には既にどこに水路があったのかが分からない状態になっていました。

 

 作業中、水路の中から様々な生き物が姿を見せました。水路の底に生えていた植物に隠れていたようです。

下の写真は2匹のヨコエビ(甲殻類)とコオイムシ(昆虫)です。ヨコエビは普通のサイズよりもかなり大型です。

 

 下の写真はミズムシ(甲殻類)です。珍しい生き物ではなく何所にもいますが、私が畑沢で見たのは初めてです。小さすぎて気付かないだけの様です。畑沢以外の所ではよく見かけます。ところで、ミズムシという名前はいろんな虫に使われていますので、要注意です。

 これは初めて目にしました。この時期にこの大きさ(全長約1cm)だと、ホタルの幼虫かなとも考えたりしましたが分かりません。ただ、空気を吸うための気管がないので、ゲンゴロウの幼虫ではないと思います。この場所にホタルの幼虫がいる可能性は大きいと思います。ホタルが昨年の7月上旬に産卵すれば、この時期にはこの程度かなとも考えました。兎に角、分かりません。

 

 これはカゲロウの幼虫です。カゲロウは陽炎と書きます。6月の田植え時期に大群が婚姻飛翔していました。今も婚姻飛翔が見られるのでしょうか。

 

 一番の大物登場です。ヤマアカガエルの雄(オス)です。何故、雄かと言うと、写真には撮っていませんが、お腹に卵が入って膨れているヤマアカガエルがいたからです。写真の蛙はお腹すっきりでした。少し前にヤマアカガエルの産卵について投稿しましたが、まだ産卵は続いているようです。

 雪の上には、総称「雪虫」がいました。これはカワゲラの成虫です。拡大していますが、触覚を除いた大きさは1cmぐらいの小さな虫です。

 

 さらに千鳥川へ出かけました。下の写真は昔、良い子たちが夏のプールにした場所で、「ドンドン川」と呼んでいた場所です。大きな岩の上から水がドンドンと流れ落ちることからそう呼ばれたようです。しかし、今は大きな岩が削られてドンドンとは鳴らなくなりました。毎年、大きく変形しています。

 

 ネコヤナギの芽も大きくなっていますが、まだまだ小さいです。 

 川岸にはアブラチャンが大暴れしています。昔、あまりにも生い茂った場合は、適度に刈り取っていたのですが、今は誰も刈り取ってくれません。しばしば、川面を覆うほどになります。

 

 今冬はこのアブラチャンが不思議な現象を見せていました。何と、枯れ葉が枝に付いたままなのです。秋に木の葉が枯れれば、はらはらと枝から離れて落ちてしまうはずです。今冬は落ちていません。

 

 アブラチャンの花芽はまだ小さくて、2~3mm程度です。下の写真を撮ろうとして、失敗してピントが枯れ葉になったのが上の写真です。

 

 畑沢の奥(南端)で大平山の雄姿を拝みました。この山、畑沢の中で見るには、奥まで入らないと全景を見ることが困難です。

 

 代わって北の方を撮りました。畑沢の中で見やすいのは、最上町にある禿岳です。この日も美しい姿に見とれました。何度もこのブログに登場しています。


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