「ユキツバキかなあ」シリーズは、やっと振り出しにもどります。畑沢の熊野神社周辺の椿が、ユキツバキ(雪椿)かもしれない、いや雪椿だろう、きっと雪椿に違いない、などと思ってから早、6年にもなりました。不勉強なうえに慎重さに欠けていますので始末に負えません。
しかし、ブログのおかげで救う神がコメントとして現れました。
「熊野神社の椿は、ユキバタツバキ(雪端椿)でしょう」。
そこで、山形市大平地区の雪椿群落、尾花沢市六沢の繋沢の椿、同市原田地区の椿、畑沢の稲荷神社周辺の椿、同地区のおしぇど山の椿等を調べて、雪椿の何たるかを頭に入れました。
その間に2年の月日が流れました。令和5年5月5日(開花期)と6月11日(新葉展開期)に畑沢の熊野神社に出かけて最終的な観察を行いました。熊野神社周辺には広い範囲に亘って椿が生えていますので、三つに区分して報告します。先ずは県道29号線(主要地方道尾花沢関山線)から尾根までの東側斜面です。
ここの斜面には、落葉広葉樹が生い茂り、さらに夏季は葛が全面的に覆います。この時期は、まだ落葉広葉樹も葛も葉が本格的に展開していません。椿はその下に這いつくばるようにしながら、辺り一面に生えています。
全体的な花の様子です。ほぼ山形市大平地区の雪椿と同じように横に開いているように見えますが、幾分、大平の雪椿よりも開き方が少ないようです。定量的に開き方を比べる方法を知りませんので、あくまでも感覚的に表現しています。
雄しべを横から観察しました。藪椿とは明らかに異なり、それぞれの雄しべの基部が独立しているように見えます。それでも、大平の雪椿と比べると、基部がほんの少し融合しています。雌しべはおしぇど山や六沢地区の繋沢の椿のように、雄しべよりも長く飛び出してはいません。
葉柄の長さは、藪椿よりは明らかに短いようです。大平の雪椿と比べても、ほぼ同じように短いように見えます。いや、長いようにも見えます。これも、定量的に計ったものではなくて、感覚的なものです。
葉柄の毛は確認できました。大平の雪椿に全く引けを取りません。
葉脈は透けているようです。雪椿の特徴があります。しかし、葉脈が透けると、生理的にどのようなことが生じるのかを知りたいところです。植物生理学をやっている方から御説明いただきたい思いです。
ところで、このような写真を撮るのにはいつも苦労します。片手で葉を持ち、もう片手でカメラのシャッターを押すのですが、ピントが合いません。ついでに周囲が明るすぎます。ちゃんとした準備して撮影するのが真面な撮影者というものです。
尾根に至って、熊野神社に挨拶いたしました。今年もお祭りに参加しなかった非礼もお詫びしました。
熊野神社の東斜面の椿は、以上のとおりですが、外にも目に留まった植物がありました。珍しい植物ではありませんが、いつの間にか名前が変更されていました。私は「ウスバサイシン」と記憶していましたが、Wikipediaによると、2007年に山路弘樹、中村輝子らにより、新種「トウゴクサイシン」として命名記載されたそうです。最近は「新種」が多くなっています。いいことなのかもしれませんが、私には何とも評価できません。「最近」と言っても16年も前です。私の頭は半世紀前のままになっています。
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