1770年、ドイツのボンで生まれ楽聖と呼ばれたベートーベン、沢山の楽曲を世にだし250年近くたった今でも演奏され続けていますが彼が作曲した”ピアノソナタ”は全部で32曲あり、私はそれを「10年かけて演奏する」と言う無謀な(?)計画を立てピアニストの大橋邦康先生に託し、初志貫徹この度3月27日に無事、32曲の全ソナタ演奏を終了することが出来ました。
思えば今から55年前の1961年、ピアノの巨匠”ウィルヘルム・ケンプ”が来日、7夜連続でベートーベンのピアノソナタ全曲を演奏、当時ピアノを師事していた岡本喜久子先生から「必ず聴くように!」と言われ、必死になってラジオ(NHK)の前に座ったことが昨日のことのように思い出されます。
私はこの想いを寝屋川市在住のピアニスト大橋邦康先生に話したところ「やりましょう!!」と(快諾?)してくださり2007年3月から第1回演奏会が始まり(第3回までは15:00時からと19時からの2回演奏と言う、今思えばあまりに厚かましい要求もさらりと受けて下さいました)、この度のファイナルを迎えたわけです。
3月27日15:00から ~10年間のありがとうの感謝を込めて~ のタイトルで演奏会開始、サモックホールは80人以上の観客ではちきれんばかり!
ピアノソナタ第27番に始まり第30番と演奏して20分の休憩(この間調律)、プログラム2部で第31番・32番と続くうちにピアノの音があるときは溜息のように、又 あるときはすすり泣きのように聞こえ始め ホールは水を打った様な静かさ・・・
弾き終わった後に嵐のような拍手が巻き起こり、みなさん感無量、 私たちは長くて短い”ベートーベンシリーズ”の幕を閉じたのでした。
註 この度の演奏に当たり、ピアノの調律師さんが朝7時からホール入りされたことも付け加えさせていただきます。