ー ふだんの場所なら場所前日には大黒柱事業部長の展望記事を掲載しているのですが、多忙で原稿がもらえるかどうか不透明とのことで、きょうは代理として玉椿理事にお越しいただき、九州場所の展望などをうかがいたいと思います。よろしくお願いいたします。
(玉椿) 「どうもどうも」
― さて、九州場所の目玉はなんといっても玉椿関の綱取りですね。場所直前の調子はいかがですか?」
(玉椿) 「あはは。さいきん昼夜逆転の生活を送ってるからね。ろくなまらずもうがとれてないよ。今月に入ってから稽古場で1回も勝ててないからね」
― しかし、場所に入ると調子を上げてくるのが、玉椿関の強み、との声もありますが。
(玉椿) 「勃起のしかたなんか忘れちまってるからね。ちょっと苦しいんじゃないかね」
― となると、九州場所の本命はやはり毛呂乃関でしょうか?
(玉椿) 「そりゃ、いちばん強いのはだれがどう見ても毛呂乃だからねえ。場所前もあちこちで変態行為を繰り返してるし、まあ死角はなさそうだ。んでも今場所は蒼狼もなかなかおもしろそうな気がするよ」
― 蒼狼関ですか? 場所前インタビューではやる気なさげなコメントだったと思うのですが?
(玉椿) 「あいつはメンタルが弱くてさ。期待されるとプレッシャーでつぶれちまうんだけど、ぎゃくに誰からも期待されないと、のびのびと相撲がとれるのか、けっこう勝つんだよね。いま蒼狼に期待してるやつなんかいないだろうからさ、そういうときは強いと思うよ」
― なるほど。玉椿理事の見立てでは、本命・毛呂乃関、対抗・蒼狼関と。
(玉椿) 「まあ、そうだね」
― 十両以下ではいかがでしょう? 寒いせいもあってか、各力士とも調整には苦労している印象があります。
(玉椿) 「萬海と金精山、どちらが先に幕内に上がるかね。個人的には幕内の優勝争いなんかより、こっちのほうが気になるよ。先場所はふたりとも10勝をあげて、実力的にも拮抗してる印象だね。とくに金精山は場所前から張り切って稽古しているみたいで、かなり勝ちこみそうな雰囲気だわ。オーバーワークで息切れしないかだけが心配だよ。いっぽうの萬海は日本とスリランカの往復を繰り返して疲れている印象もあるけど、疲れまらでいい感じに勃起できるかもしれないよね。」
― 両力士とも楽しみですね。ふたりの幕内昇進ラインはどのくらいになると思いますか?
(玉椿) 「わし、番付編成にはタッチしてないし、大相撲との兼ね合いもあるからあんまりよくわからんけどさ。5枚目と7枚目だろ? さすがに十両優勝すれば新入幕が狙える位置だと思うよ」
ー 幕下以下の力士についてはいかがでしょう?
(玉椿) 「播潟はいま98勝98敗なんだって? いままで100勝力士はいっぱいいるけど、100敗力士は4人しかいないからね。まらずもうはたくさん負ける力士のほうが偉いって風潮もあるし、100敗を達成したら一流力士って呼んでいいんじゃないかね。今場所は調子が悪いっていうし、どこまで黒星が伸ばせるか、たのしみだね。
かたや明烏は通算200敗の大力士だ。かれは負け方がいいんだよね。ふだんは物静かで几帳面な性格の人格者なんだけど、いったん土俵にあがると人が変わったように、新宿二丁目で女装したり酔っ払って外で寝たり、大胆な相撲をとるんだよね。力士の模範のような存在だよ。今場所もがんばってほしいね」
ー 本日は玉椿理事に場所前の展望をうかがいました。ありがとうございました。
(玉椿) 「ああどうも、ほんとは大黒柱事業部長が原稿をくれればいいんだけどね、すまんね」