曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

BMW MINI クーパーS(3ドア・F56)を試乗した

2018-07-20 20:25:00 | クルマ
昨年8月4日に「BMW MINIクーパーコンバーチブルを試乗した」という記事でアップした試乗以来、MINIからイベントやキャンペーンのチラシが来ていた。コンバーチブル試乗の際に、対応していただいた営業マン氏とは長時間話し込んだこともあり、1回くらいは店に行かないとならない気がしていた。それが手なのかもしれないが。

今回は「フルラインナップ試乗キャンペーン」なので、好きなのに乗れるだろうという期待があった。MINIは先日ビッグマイナーチェンジを受けており、ガソリン車は一部DCT(デュアルクラッチトランスミッション)になっていた。DCTはトルコン式ATと違ってダイレクト感があるとか、電光石火のギアチェンジはF1ドライバーより速いとか言われている。フォルクスワーゲングループが取り入れた最初期から興味があったのだがVWは乗る機会がなく、ホンダのDCTはハイブリッドと合わせ技で別物。ちゃんとしたDCTモデルに乗れるなら乗ってみたい。

というわけで、約1年ぶりにMINIの某ディーラーを訪ねたのであった。

3ドアか5ドアのDCT車を希望したら、なんと3ドアのクーパーSが来てしまった。買う予定はないが、万が一商談的なことになったら5ドアのクーパーだろうと思っていたし、営業氏もそういうのを持ってくるかと思っていたので、なんだか動揺してしまった。2リッターターボだよ。

まずはBMW的なスティック状のシフトレバーの説明。スティック横のボタンを押しながらDに入れてスタート。形だけでもゴキッゴキッと入るホンダのと違い、明らかに電子スイッチで、ギアを(走行モードを)切り替えている実感が薄い。プリウスみたい。試乗したことないけど。

シートは合皮だがナッパレザーに近いものらしい。椅子の餡子がしっかりしているというか、いい感じに堅く、がっしりホールドしてくれる。変なたとえだが、ラグビー選手の膝の上に座っているみたいなイメージ。疲れにくい絶妙な堅さだとは思うが、渋滞とかでルーズに座ったり、飽きてきたので姿勢を変える、なんてときにはタイトすぎるかも。センターコンソールが高くて、運転席がそもそも狭く感じるし。

フロントガラスが立ち気味なのに結構遠いので、屋根がかなり前まで伸びている。斜め上の視界が良くない。というか、前方視界の天地が狭い。フィットは前方視界の下端がダッシュボードの端でボンネットはまったく見えないのだが、このMINIはライトの峰がちゃんと見える。形状は同じはずなのに、コンバーチブルより車輌感覚が掴みやすい。後ろの視界はよくない。リアガラスが小さく、リアシートのヘッドレストが邪魔。サイドミラーもデザイン優先で形も見やすくないうえに、生えている位置が変なのか、遠く感じる。

コンバーチブルもそうだったが、やたらどっしりしている。コンバーチブルより軽い(というかコンバーチブルは明らかに重さを感じた)ので、ボディの剛性感だけが強調して感じられる。ストリームも無駄に剛性凄かったが、これも凄い。屋根も床も左右の壁も分厚く感じる。

走り出してすぐ足が堅いのが分かった。路面の凹凸がはっきり分かる。車体の重さを路面にぐいぐい押し付けながら、乗員を多少揺らしながら、滑らかに走っていく。やたら上質な走行感だった。

シフトレバーを左に倒して前後させ、マニュアルでギアチェンジしてみた。素早いどころか一瞬でチェンジした。継ぎ目がなく、まるで超絶スムーズなトルコンみたいな感じ(笑)。スムーズすぎて変速後の回転感の変化も少なく、面白くない。7速もあるからかもしれないし、クロスレシオなのかもしれない。一気に2段は変えないと変えた気がしなかった。

試しにアクセルを深く踏み込んだら、約1秒後にグッと力強く加速した。パワーを持て余している。これ以上強く踏んだら普通の道ではヤバイかもと思った。そこまでもかなり力強く走ってきたので、さすが今時のターボエンジンだ、フラットトルクだと思ってたのに、全然性能を発揮してなかったらしい。しかし、ターボラグがでかいな。

ハンドルが少々重い。ゴーカートフィールというやつは、くるくると軽快に曲がるものだと思っていたが、実は逆で、重くて遊びがなくクイックなハンドルのことなのだ。本物のゴーカートってパワステないから重いじゃん。よく考えたら、ゴーカートに乗って軽快だと思ったことなかったわ。そういう意味で、この三代目BMWミニは、ゴーカートフィーリングだと思う。タイヤを曲げるのに多少腕力が要る。

あと、ハンドルの10時10分の位置にコブがあって、指を引っかけるのによかった。

走りも内装も上質で、これは高級車だと思った。実際、値段的には高級車である。僕はよくドライブ中に腹が減ったら、コンビニのコロッケを食べるのだが、このミニの運転席では食べられないなと思った。コロッケを食べると衣のパン粉がバラバラとこぼれてシートが汚れるのだ。そういうのはやっちゃいけない車だった。


テールランプ、ブレーキランプ、ウインカーを全点灯するとユニオンジャックの半分が完成する。


速度計と回転計が目の前に来た。これが普通。輸入車の標準ナビにしては見やすい地図だった。

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