All Things Must Pass

森羅万象 ~ 歩く印象派

チェルノブイリ25年後 住民去った町を歩く

2011年10月31日 06時25分53秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
2011年10月31日5時44分朝日COM


写真:「ザリッシャ村、ザピッリャ村……」。チェルノブイリ市の中心にある広場には、原発事故で消えた村の名前が書かれた立て札が並ぶ。事故から25年となった2011年に作られた=日吉健吾撮影拡大「ザリッシャ村、ザピッリャ村……」。チェルノブイリ市の中心にある広場には、原発事故で消えた村の名前が書かれた立て札が並ぶ。事故から25年となった2011年に作られた=日吉健吾撮影

図:チェルノブイリ原発の位置拡大チェルノブイリ原発の位置


 1986年4月に大事故を起こしたウクライナ・チェルノブイリ原発の南東十数キロ。放射線モニタリングなどにあたる3千人ほどが働いている町、チェルノブイリ市を訪ねた。

 ウクライナ政府によると、事故の影響で168の村が消えた。市の中央広場には、その名が記された立て札がアルファベット順に並ぶ。事故から25年の今春完成した。

 市内には、放射線測定や生態系調査などを担う行政機関の拠点がある。市は、「ゾーン」と呼ばれる立ち入り規制区域の中にあるが、集中的に除染され、職員 らは例外的に滞在が認められて月の約半分を市内の寮で暮らす。朝夕には、通勤バスが広場周辺を行き交い、少しだけにぎわう。商店や教会もある。

 市の中心を離れると、ゾーンの現実がわかる。市内の目抜き通りの両脇には木造の廃屋が並び、プリピャチ川沿いにはさびた廃船が係留されたままだ。

 市内を出て原発に向かう。原発の約2キロ手前の「コパチ村」跡。荒野に三つ葉の形の放射能標識と看板が立つ。「住民1114人が1986年5月3日に避難した」とある。

 家々は降り注いだ放射性物質で汚染され、壊されて埋められた。そばの道路で地上1メートルの空間線量を簡易装置で測ると、毎時0.7マイクロシーベルトほどだった。


宇宙は本当にひとつなのか [著]村山 斉

2011年10月31日 02時30分48秒 | 地球の不思議・宇宙の不思議

話題の新刊(週刊朝日)

[文]三嶋伸一  [掲載]2011年11月04日

表紙画像 著者:村山斉  出版社:講談社 価格:¥ 861

 素粒子の1つ「ニュートリノ」が光速よりも速いという実験結果が話題になった。素粒子理論の第一人者である著者も積極的に発言していた。その人が書いた最新宇宙論の入門書だ。
  近年の観測結果から、私たちが知っている原子や素粒子などの物質は宇宙全体の約5%しかないことが分かった。残りは正体不明の「暗黒物質」と「暗黒エネル ギー」で、これらが銀河の生成や宇宙の膨張の張本人であるのみならず、もしかしたら私たちの知らない「異次元」からの使者かも知れないという。
  相対性理論を超える最新学説が鮮やかに描かれる。しかも、200ページ足らずで。なぜ重力が異次元から来ている可能性があるのかも、数ページで解き明かさ れる。その簡潔さと精密さ。巷にあふれる分厚い専門書と比べても遜色ない。著者の深い知識と、分かりやすく語ろうという意欲がなせる業だろう。今後、何度 も読み返すことになりそうな1冊だ。