All Things Must Pass

森羅万象 ~ 歩く印象派

下北半島の東通原発近く 大津波 1000年で5回か

2011年10月09日 00時52分06秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
東京新聞 2011年10月8日 夕刊

 東北電力東通(ひがしどおり)原発がある青森県東通村で、海岸線から約一・三キロ内陸の地点まで、過去約千年間で少なくとも五回の大津波が来たことを示す地層が見つかったとする調査結果を、北海道大の平川一臣特任教授がまとめた。

 東通村では営業運転している東北電力東通原発1号機のほか、建設中や計画中の原発三基がある。見つかった地層の東通原発からの距離は約六キロで、 標高約五メートルの場所。建設時に東北電力が想定してきた津波の高さは六・五メートルだが、同社は実際に地層を掘削する津波の調査はしておらず、今回の発 見は論議を呼びそうだ。

 平川特任教授によると、調査は七月中旬に東通村の小田野沢地区で実施。九四七年に朝鮮半島の白頭山が噴火した火山灰の層の上に、津波によるとみられる堆積物の砂の層を五つ確認した。火山灰層の下にも一層あったという。

 津波を起こした地震などの詳細は分かっていないが、平川特任教授は「一六一一年の慶長三陸地震などが考えられる」としている。

 慶長三陸地震では北海道でも津波被害が発生。また、ほかにも北海道沖を震源として五百年間隔で地震があり、東北から北海道まで広範囲に大津波が押し寄せた可能性もある。ただ現在まで十分な調査が進んでいないという。

 東通村がある下北半島にはほかにも、建設中の大間原発(大間町)や使用済み核燃料の中間貯蔵施設(むつ市)など多くの原子力関連施設がある。平川特任教授は「下北半島は非常に重要で、あらためてさまざまな調査をすべきだ」と指摘している。