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森羅万象 ~ 歩く印象派

スモーカーズフェイスⅡ

2009年11月23日 19時08分04秒 | 私の目の前での喫煙はお断り
(鹿児島県 市来歯科 市来英雄)

いま、「スモーカーズフェイス」という用語が、全国で1200名以上が加入している
日本禁煙医師連盟のメール網で話題になっている。英国のModel.Dという医師が1760
年、医学論文にこの用語を使って喫煙者の顔貌や口腔内に明らかな変化を出したのが
最初であった。喫煙者の皮膚や顔面には老化を表すシワ、シミ、軽度に灰色がかった
色素沈着の容貌が現れ、そばかす、吹き出物も多く出たり、口角部や口唇はかさかさ
して荒れて、口唇も歯肉も次第に黒ずんでいき暗紫色化なったりもする。また、口唇
が肥厚し、分厚く飛び出た口唇になる。目の下のくま、下瞼の下のたるみ、若くても
細かいちりめんじわも顕著に現れる」。つまり早く言えば、年の割に老けた顔で皮膚
は荒れ、笑うと歯肉は黒ずんで、おまけに、くさい口臭つきの容貌と言える。
なんといっても口腔内の変化は、喫煙有無の良き判断材料になってくる。喫煙者
は、むし歯も歯周病も多いし、口腔内は汚く治療を放置する傾向が高い。
喫煙は歯のヤニ付着はもちろんであるが、歯肉の黒色化も特徴で早期にそして優位
に現れ、そして顔面の方へと進む。スウェーデンの歯科医Hedinは214名の歯肉を調
べ、歯肉にメラニン色素沈着を認めた30名すべてが喫煙者であったことから“スモー
カーズメラノーシス”と名付け、喫煙と歯肉メラニン色素沈着との関連性を示唆し
た。メラニン色素除去療法にはレーザーなどがあるが、喫煙者は除去しても必ず再発
する。その他、口蓋や歯肉粘膜が線維化し隆起が多くゴツゴツしている。舌に黄色の
舌苔、黒色の毛様舌(舌乳頭の醜い過剰発育で髪の毛が生えているように見える)、ま
た、頬粘膜の白苔や、たまには前癌症状の白板症、癌なども認められる。タバコは人
を醜くし、命までも奪う悪魔の嗜好品である。