映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

あの日 あの時 愛の記憶

2013-06-07 | 映画 あ行
2011年に公開されたドイツ映画です。
原題は「 Die verlorene Zeit」で「失われた時間」という意味のようです。
英語のタイトルは「Remembrance」「追想、思い出」です。

イタリア映画「ひまわり」やフランス映画「シェルブールの雨傘」など、戦争で引き裂かれた
恋人や夫婦の切なく、やるせない、哀しい物語が映画になりました。
両作品とも主題歌がいいですよね。特にヘンリー・マンシーニの「ひまわり」は曲を聞くだけで
ソフィア・ローレンの悲しい表情と一面のひまわり畑を思い出し、涙ぐみそうになります
日本でも恋人が戦死した聞かされ別の人と結婚し幸せに暮らしているところに
恋人が復員して…というドラマを子供の頃見た記憶ががあります。

本作はユダヤ人の少女とポーランド人のレジスタンスの青年が、囚人として収容所で出会い、
恋に落ち、脱走後離れ離れになり、互いに相手が死んだと聞かされ別々の道を歩み、
30数年の後消息を知るというストーリーです。
どうも実話を基にした映画のようです


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        あの日 あの時 愛の記憶

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 < ストーリー >
1976年、ニューヨーク。ハンナは、優しい夫と娘に恵まれ、幸せな日々を過ごしていた。
ある日、出先で何げなく目にした店のテレビから流れてきた声に息を飲む。画面には死んだと
思っていたかつての恋人トマシュの面影を見て、封じ込めていた記憶が蘇り、茫然となる。
1944年、ポーランドの強制収容所で出会い、恋に落ちたふたり。トマシュはレジスタンス仲間に
収容所の実態を写したフィルムを届ける任務を受け、ハンナを連れて脱走する。
結婚を誓うふたりだったが、戦争と終戦後の混乱の中、生き別れになってしまう。
その後ハンナアメリカに渡り、赤十字にトマシュの捜索を依頼するが推定死亡の報を受ける。
テレビの人物がトマシュだと確信したハンナは、赤十字社へ再調査を依頼し、消息を知るが……。

      

世界中にネットが普及し、誰もが携帯電話を持つ昨今、
すれ違いでいつまでたっても会えない「君の名は」のふたりのような状況はもう起こらないし、
SNSなどネットを駆使して真剣に探せば長年あっていない人につながる可能性は高いでしょう。
社会の変化によって、かつて多くの人の涙を搾りドキドキさせた別れ別れの切ないドラマは
成立しなくなってしまいましたね。それはそれで、思いもよらなかったような設定に基づいた
新たなドラマが生まれるのでしょうね。
 
明日をも知れぬ強制収容所という過酷な環境の中だからこそ、激しく燃える恋。
脱出後、レジスタンスの任務でハンナのもとを去るトマシュ。
必ず戻って来るという言葉を信じ、待ち続けるハンナ。

ポーランドは近隣の国々に分割統治されたり、地図から消えてしまったりと
大国に挟まれ過酷な歴史を持つ国ということは知っていたけれど・・・
終戦後はドイツ軍に代わってソビエト軍がポーランドを支配し、レジスタンスは逮捕連行されたようです。
互いに死んだと聞かされ別々の道を歩んできたふたり。

トマシュの生存を知り狼狽え、今の家族に打ち明けられず悩むハンナ。
ハンナの様子からすべてを察し優しく寄り添う夫。
いやぁ~、今の夫もいい人なのよ
そして…ポーランドへ旅立つハンナ。
おぉーーー、この後どうなるの~?!っと乗り出したところで THE END。

過去の出会いと別れ、そして現在のハンナの生活と、トマシェの消息を知ってからの狼狽、
その後葛藤の後、夫の後押しで会うことを決心し彼の住む町に降り立つハンナしか描かれません。

彼女がどういう経緯でアメリカに渡り、今の家庭を築いたのか?
身籠っていた子供はどうなったのか?
非常に気になる~ところではありますが「皆まで言うな」というスタンス。
ドキュメンタリーじゃないんだから、ドラマだからとは思いますが、
全てつまびらかになるドラマに馴れすぎてしまっているのかもしれません。
余韻に浸り、想像力を働かせるのも一興。
それがまた、見る人の想像力をかきたて、味わい深いドラマになっている気がします。




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