残念ながら、電車とか飛行機の中で急に歯周病の臭いが漂って来る事がまだまだあります。
それとなく見ると、たいていの場合男性で中高年以上の方です。
歯周病が国民病と言われ、8割以上の方が罹患している、と言うデータがあります。
このデータは、結構毎年指摘され続けていますが、未だに顕著な改善は見られません。
そこで、我々がお願いしたいのは、歯周病は口臭の原因になるので治しましょう!と言う考え方です。
私が歯周病に気が付くのも、その方の吐く息からで、多分周囲の方も気が付いているのでしょうが、教えて差し上げることが出来ないのでしょう。
口臭がしてくるのを、病気の始まりと考えられるなら、その方の為に何とか教えてあげらるんじゃないでしょうか。
実際に、歯周病は血液を介して全身に巡り、悪さをすることが分かっています。
血管内壁にへばり付いて色々問題を起こすこともかなり強い確率で疑われています。
実際に脳外科の先生にお聞きすると、手術になる患者さん、脳血栓とか梗塞を起こす患者さんのかなりの数の方が歯科的な病気を抱えているそうです。
高齢者の口腔ケアが、肺炎を予防することも広く知られるようになって来ました。
これらの例のように、口腔内は湿っていて暖かく栄養豊富で、菌にとっては繁殖し易い状況なのです。
そして、成人で最も多い病気は歯周病です。
重症の患者さんは、10%程度いる、と言われています。
ところが、歯周病はかなり進行しないと痛んだりしない、静かに進行する怖い病気なのです。
なので、早期発見に口臭のことが重要になってくるのです。
周りの人は早くに気が付いていても、本人は気が付かないでそのまま放置しているうちに、どんどん歯が悪くなって、体まで悪くしてしまう。
歯周病って患者さんたちが思っているよりも怖い病気なんです。
又、口臭がしてて、歯周病治療したのにまだ臭う、と言う方は、他の病気、胃が悪いのじゃないかとかが心配です。
顔色が悪そうな知り合いの方には大丈夫?と声を掛けるのが普通に出来ると思います。
それと同じ感じで、体大丈夫?口臭がしだしているみたいだけど、と普通に言える社会が来て欲しい、ものです。
インプラント治療も一般的に成って来ていますが、歯周病を抱えたままで歯がないからでするのは大変に危険です。
歯周病で歯を失われた方ほど、私は残っている歯に負担を掛けない為にインプラントをお勧めしていますが、それは歯周病治療がチャンと出来る、と言う基本があればこそです。
歯周病は、簡単に言えば、歯を支える歯茎、骨を腐らせて行く病気ですから、歯であろうとインプラントであろうと、悪くなる時は非常に拙いのです。
口臭に気が付くことから歯周病に取り組む。
健康長寿の実現の為に、お勧めします。