口が大きく開かず、ハンバーガーが食べにくくなった‥‥。 なんてことありませんか?
あったとしたら、それはアゴの関節がスムーズに動かなくなる顎関節症かもしれません。
これストレスも原因の一つなので、こまめなリラックス方法でしっかり予防しましょう。
耳の前に指をあてて口を開け閉めすると骨が動くのが分かります。 ここがアゴの関節
(顎関節)で、上顎と下顎の骨の間には、動きを滑らかにする関節円板があります。
口を動かすときに音がしたり、口が開けにくくなったりする症状は顎関節症と呼ばれる。
鶴見大学歯学部の”小林教授”は「関節円板のずれ、筋肉や靭帯の損傷、骨の変形などに
よって起こる障害の総称」と解説している。 患者の顎関節を磁気共鳴画像装置(MRI)
で調べると、関節円板がずれて骨の動きを妨げていることが多いという。
東京医科歯科大学大学院非常勤講師の
”木野さん”は「命にかかわる病気では
ないが、原因が分かりにくく、患者ご
とに的確な治療を行うのが難しい疾病」
と指摘している。
歯のかみ合わせの異常が原因として歯
を削る治療もあるが、症状が改善しな
い例もある。 このため最近は、削る
など元の状態に戻すことのできない治
療は避けられている。 また、マウス
ピースを用いて筋肉の負担を減らし、
痛みを改善する治療があるが、慢性化
につながるケースも少なくない。
こうした中で、顎関節症の新たな原因
として注目されているのが「歯の接触
癖」(TCH)。
通常は唇を閉じていても「上下の歯の間には隙間があるのが正常」(木野さん)。 また、
激しい運動や仕事に没頭したときには歯をかみしめることもあるが、一般的には長く
続かない。 筋肉や関節に負担がかかるため自然に口が開き、上下の歯の間に隙間が
できるようになる。
しかし、精神的なストレスが続いたり、パソコン操作に集中しすぎたりすると、上下
の歯が接触したままの状態が長時間続くことがある。 こうなると脳が、口をかみし
めている状態を正常な様子と勘違いして、アゴの周囲の筋肉を働かせ続ける。 東京
医科歯科大学の調査では、歯が触れあっままのTCHによって、アゴの筋肉や関節に
障害をもたらすケースが多いことが明らかになった。
最近はアゴの筋肉をリラックスさせ、正常な状態に戻す治療が行われるようになってき
ているという。 かつてはアゴを動かさないように指導されていたが、口を開き筋肉
を伸ばすストレッチが勧められている。
さらに、無意識のうちに歯をかみしめ続けないようにする手法として、木野さんは「貼
り紙法」を提案している。
仕事で使う机まわりや、台所、玄関などよく目にするところに「リラックス」などと
書いた付箋を貼っておく。 それが目に入ったら、口を開けて息を吐きながら全身の
力を抜く習慣をつける。 「2カ月ほど続けると、アゴの関節の動きが正常化し症状
が改善する」(木野さん)。
初期の顎関節症ならセルフケアだけで症状が改善することが多い。 小林教授は「2週
間から1カ月続けても症状が改善しない場合は、地域の大きな病院の歯科・口腔外科
でMRI検査を受けてほしい」と助言する。 関節リュウマチなど他の原因が隠れて
いることもあるので注意を・・。
人間の成長過程においてアゴの骨の完成は遅く、女性では18歳、男性では20歳まで
続くとされているそうだ。 小林教授は「未成年、とくに小中学生の顎関節症はアゴ
の骨の発育障害の原因になる場合もあるので早めの検査を」と注意を促す。
セルフケアをしながら、症状改善をしっかり見極める。 アゴのトラブルの対処では
重要なポイントになるのでしっかりと対処することが大事のようです。
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