「鵜飼い」と言えば、夜にかがり火をたいた船で、
鵜匠が水鳥のウを複数羽操り、アユを捕らえる手
法が知られている。 少し手間が異なるのが、山
梨県笛吹市の笛吹川に伝わる「徒歩鵜」だ。鵜匠
もジャブジャブと川に入り、歩きながら1羽のウ
を操る全国唯一のスタイル。毎夏の祭りで実演し、
伝承に取り組んでいる。
鵜飼いは、光る物に反応する習性があるのでウの首にひもを巻いて泳がせ、かがり火でき
らめくアユを捕る伝統漁法だ。 ウが魚を捕ると鵜匠が腰の魚籠(びく)に吐かせる。
アユは瞬時に締められるため鮮度が高く、高級品。 徒歩鵜では漁後のウにご褒美とし
て与えられる。
市によると笛吹川の水深は深い場所でも大人の腰程度まで。 歩く方が船より小回りが利
き魚がいそうな場所にウを誘導しやすい。 約800年の歴史があり、没落した平家の
一族"平時忠"が甲斐国(現在の山梨県)に流れ着き、偶然学んでいた鵜飼いをなりわいにし
たのが始まりとの逸話が残る。
現在、徒歩鵜のウを世話したり、祭りで実演を担ったりするのは「笛吹川石和鵜飼保存会」
のメンバーの男女約10人。 他に仕事をしながら、当番制で毎日の世話も欠かさない。
仕事を終えた後、11羽を飼育する小屋を訪れる。 手で1羽ずつ餌を与えながら体調を
観察し、漁の練習用プールを掃除。 世代継承も意識し、祭りの時期には地元高校生が
アルバイトに入る。 その祭りは距離の近さが魅力だ。 鵜匠とウの息の合った連携も
間近で見られる。 河川敷に座る観客の数十㌢先をウが泳ぎ、アユを捕らえると「おぉ
~」と歓声が上がる。 漁を終えたウを触ったり、アユを観察したりでき、子どもたち
が大興奮で鵜匠を取り囲む。
鵜匠で保存会会長の"丸山さん"は「ウとの信頼関係が大切」と話す。 丸山さんも頭の形
や鳴き声などで固体判別できるといい「毎日世話をすると面白いほど懐く」。 日々の
負担は少なくないが、「徒歩鵜はここだけの文化。 魅力を広め、伝統を後世に伝えた
い」と活動を続ける。
祭りは7月20日から8月中旬の毎週水、木、土、日の午後8時から。 今年は18日が
最終日です。
鵜匠が水鳥のウを複数羽操り、アユを捕らえる手
法が知られている。 少し手間が異なるのが、山
梨県笛吹市の笛吹川に伝わる「徒歩鵜」だ。鵜匠
もジャブジャブと川に入り、歩きながら1羽のウ
を操る全国唯一のスタイル。毎夏の祭りで実演し、
伝承に取り組んでいる。
鵜飼いは、光る物に反応する習性があるのでウの首にひもを巻いて泳がせ、かがり火でき
らめくアユを捕る伝統漁法だ。 ウが魚を捕ると鵜匠が腰の魚籠(びく)に吐かせる。
アユは瞬時に締められるため鮮度が高く、高級品。 徒歩鵜では漁後のウにご褒美とし
て与えられる。
市によると笛吹川の水深は深い場所でも大人の腰程度まで。 歩く方が船より小回りが利
き魚がいそうな場所にウを誘導しやすい。 約800年の歴史があり、没落した平家の
一族"平時忠"が甲斐国(現在の山梨県)に流れ着き、偶然学んでいた鵜飼いをなりわいにし
たのが始まりとの逸話が残る。
現在、徒歩鵜のウを世話したり、祭りで実演を担ったりするのは「笛吹川石和鵜飼保存会」
のメンバーの男女約10人。 他に仕事をしながら、当番制で毎日の世話も欠かさない。
仕事を終えた後、11羽を飼育する小屋を訪れる。 手で1羽ずつ餌を与えながら体調を
観察し、漁の練習用プールを掃除。 世代継承も意識し、祭りの時期には地元高校生が
アルバイトに入る。 その祭りは距離の近さが魅力だ。 鵜匠とウの息の合った連携も
間近で見られる。 河川敷に座る観客の数十㌢先をウが泳ぎ、アユを捕らえると「おぉ
~」と歓声が上がる。 漁を終えたウを触ったり、アユを観察したりでき、子どもたち
が大興奮で鵜匠を取り囲む。
鵜匠で保存会会長の"丸山さん"は「ウとの信頼関係が大切」と話す。 丸山さんも頭の形
や鳴き声などで固体判別できるといい「毎日世話をすると面白いほど懐く」。 日々の
負担は少なくないが、「徒歩鵜はここだけの文化。 魅力を広め、伝統を後世に伝えた
い」と活動を続ける。
祭りは7月20日から8月中旬の毎週水、木、土、日の午後8時から。 今年は18日が
最終日です。