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動物の福祉 条例で守ろう

2022年10月12日 12時41分14秒 | 雑学
  「動物福祉」の向上を掲げ、札幌市で「動物園条例」が6月に全国で初めて施行された。
   背景には、興行優先への反省があり、専門家は「園の在り方を見直す画期的な動き」と
   評価する。 欧米では既に福祉重視の運営がされているが、日本では娯楽施設との認識
   が依然根強く、他自治体への広がりは未知数だ。

  札幌市営の円山動物園で雌のマレーグマが同居訓練中の雄に襲われて死ぬ事故があった
   のは2015年7月。 「動物を飼う資格がない」「見殺しにした」。 といった批
   判が全国から殺到した。
 動物愛護法に基づく市の機関の調査では、激し
 い争いが起きた際の措置を講じなかったなどと
 して「ネグレクト型の動物虐待」と指摘された。 
 同園経営管理課の"森山係長"は「じゃれ合いと
 区別できず、専門知識が欠けていた」と振り返
 る。園ではその後も不慮の事故による動物の死
 が続いた。当時は年間来園者数100万人の目
 標を掲げ、収支改善に取り組む最中だったが、
 反省から動物の生態に高度な専門知識を持つ飼
 育員を採用したほか、生息地に近い環境を整備
 し、心理的、肉体的に健康でいられるようシフ
                    トした。
  一連の動きに伴い、ことし6月に施行された今回の条例は民間も含む動物園と水族館が
   対象。 罰則はないものの、一定条件を満たす施設には環境網状のための設備購入費
   などを助成する。
  動物園を具体的に規定し、動。物福祉の重要性に踏み込んだ法律はないのが実情。 動
   物愛護法は動物園をペットショップ、サーカスなどと同じカテゴリーに分類。 同法
   に基づく基準では飼育空間について、動物が行動する上で十分な広さとするだけで曖
   昧です。
  多くの園が集客目的で運営されているのに危機感を募らせた日本動物園水族館協会は1
   3年、目的や具体的な事業内容を定める法整備を環境省に要望。 17年に種の保存
   法が改正されたが、「動物園は生物多様性確保に重要な役割がある」と明記されるに
   とどまっている。
  欧州連合(EU)は、個々の動物に合う飼育環境や医療体制を加盟国に求める「動物園
   指令」を02年に発効。 英国では、動物の健康管理など国が定める細かな基準に合
   わない園を閉鎖させる法律もある。
  日本大の"村田特任教授(動物園学)"によると、日本では戦前、市民の慰安として地方自治
   体運営の動物園が次々と誕生。 専門知識のない行政職員が園のトップに就くケース
   が多く、欧米のような理解が進んでいないのが現状。
  村田特任教授は「札幌市のような理念を定めた条例がないと、首長や園長の交代次第で
   過度な客寄せに走り、動物に重い負担がかかりかねない」と警鐘を鳴らしている。
   日本では、まだ興行重視の認識が根強く、対応はまだまだ遅れているようです。

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