新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に引き下げられて1年。 感染症対策は個人の
判断にゆだねられ、暮らしは日常に戻りつつある。 しかし、昨夏はコロナ下でなりを潜め
ていた感染症が子どもを中心に猛威を振るった。 暑さや冷房で体調を崩しやすいこれから
の季節、子どもの「夏かぜ」には注意が必要です。
柴田小児科医院(東京・台東)の“柴田院長”によると、
一般的に夏かぜと呼ばれる病気の代表格はヘルパン
ギーナと手足口病、咽頭結膜熱の三つ。 いずれも
「急な高熱とのどの痛みが特徴」という。ヘルパン
ギーナは、のどの入り口に水疱ができて痛み、同じ
属のウイルスが原因の手足口病は手のひらや足の裏
に赤いぼつぼつが広がる。 咽頭結膜熱も発熱とと
もに目が充血して、なかなか熱が下がらない。
特別な治療薬がないため症状を抑えて回復を待つしかないが、ヘルパンギーナや手足口病は
数日、咽頭結膜熱は4~5日で熱が下がることが多い。 ただ、「ほかの病気が隠れてい
たリ、合併症を起こしたりすることがあるので油断はできない」と柴田院長は話す。
手足口病の原因となるウイルスは、まれに髄膜炎や心筋炎などの合併症を起こすこともある。
国内の発症には年に数例ほどだが、同じく高熱が出て命にかかわる日本脳炎の可能性もあ
る。
子どもの看護中は「機嫌をよく見て、急に食欲がなくなる、ぐったりしているなどの場合は
すぐに受診してほしい。 また脱水を防ぐため水分補給も心がけて」と柴田院長は促す。
では、夏かぜを防ぐには何に気をつければよいのか。 三つの感染症の感染経路は、手を介
してウイルスが口などに入る接触感染や飛沫感染。 東京都保健医療局の“西塚感染症対策
調整担当部長”は、「こまめな手洗い、おもちゃの消毒、タオルの洗濯などを心がけ、症
状があれば登園や登校は控える。 コロナ下で続けてきた感染対策で対応力を上げて欲し
い」と話す。
昨夏はコロナの感染拡大にこれから夏かぜの流行、熱中症患者の増加も加わり、救急医療が
逼迫した。 西塚感染症対策担当部長は「今年は人の移動がさらに本格化し、厳しい夏に
なることも予想される。 過度に恐れず、感染状況に応じて予防を心がけて欲しい」とす
る。 救急医療を機能させるためにも「受診や救急車を呼ぶことに迷った際は小児救急相
談(#8000)などに電話して欲しい」と呼びかけている。
判断にゆだねられ、暮らしは日常に戻りつつある。 しかし、昨夏はコロナ下でなりを潜め
ていた感染症が子どもを中心に猛威を振るった。 暑さや冷房で体調を崩しやすいこれから
の季節、子どもの「夏かぜ」には注意が必要です。
柴田小児科医院(東京・台東)の“柴田院長”によると、
一般的に夏かぜと呼ばれる病気の代表格はヘルパン
ギーナと手足口病、咽頭結膜熱の三つ。 いずれも
「急な高熱とのどの痛みが特徴」という。ヘルパン
ギーナは、のどの入り口に水疱ができて痛み、同じ
属のウイルスが原因の手足口病は手のひらや足の裏
に赤いぼつぼつが広がる。 咽頭結膜熱も発熱とと
もに目が充血して、なかなか熱が下がらない。
特別な治療薬がないため症状を抑えて回復を待つしかないが、ヘルパンギーナや手足口病は
数日、咽頭結膜熱は4~5日で熱が下がることが多い。 ただ、「ほかの病気が隠れてい
たリ、合併症を起こしたりすることがあるので油断はできない」と柴田院長は話す。
手足口病の原因となるウイルスは、まれに髄膜炎や心筋炎などの合併症を起こすこともある。
国内の発症には年に数例ほどだが、同じく高熱が出て命にかかわる日本脳炎の可能性もあ
る。
子どもの看護中は「機嫌をよく見て、急に食欲がなくなる、ぐったりしているなどの場合は
すぐに受診してほしい。 また脱水を防ぐため水分補給も心がけて」と柴田院長は促す。
では、夏かぜを防ぐには何に気をつければよいのか。 三つの感染症の感染経路は、手を介
してウイルスが口などに入る接触感染や飛沫感染。 東京都保健医療局の“西塚感染症対策
調整担当部長”は、「こまめな手洗い、おもちゃの消毒、タオルの洗濯などを心がけ、症
状があれば登園や登校は控える。 コロナ下で続けてきた感染対策で対応力を上げて欲し
い」と話す。
昨夏はコロナの感染拡大にこれから夏かぜの流行、熱中症患者の増加も加わり、救急医療が
逼迫した。 西塚感染症対策担当部長は「今年は人の移動がさらに本格化し、厳しい夏に
なることも予想される。 過度に恐れず、感染状況に応じて予防を心がけて欲しい」とす
る。 救急医療を機能させるためにも「受診や救急車を呼ぶことに迷った際は小児救急相
談(#8000)などに電話して欲しい」と呼びかけている。