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ハームリダクション

2022年08月26日 13時35分28秒 | 話題
  「ハームリダクション」とは、依存症患者に飲酒やギャンブルをやめることを強いず、
   徐々に健康や生活の改善を図るという治療方法です。 
  最近は、新型コロナウイルス禍でストレスを抱える人が増え、アルコール依存などの
   患者が膨らむ可能性が懸念されている。 人によっては依存の程度も背景も異なり、
   酒量やギャンブルを突然ゼロにするのは難しいものです。 家族らの理解をどう得る
   かなど普及には課題もあるが、依存症から抜け出す一歩として注目されている。

  「飲酒量は半分になり、血圧も改善した。 いきなり禁酒する、という以外の選択肢
   があってよかった」。 7月中旬、筑波大学附属病院のアルコール低減外来を訪ね
   た茨城県在住の主婦(68)は笑顔を見せた。  家庭の悩みなどがあった2020年
   ごろから酒量が増えた。 ワイン1本(約750㍉㍑)を毎日飲むような状態で、体調を
   崩した。 依存症の自覚はあったが酒は断てず、21年4月に開設された同外来を
   知り、家族に内緒で駆け込んだという。
  同外来の特徴は患者に禁酒を求めないことだそうだ。 医師は患者をカウンセリング
   し、無理のないペースで減酒を続けるための目標を設定。 必要がれば飲酒欲求を
   抑える薬を処方する。 先の女性は毎日飲んだ酒の量と種類、休肝日を記録するこ
   とを決めた。 記録は数週間~数カ月に1度、医師に報告し、一緒に振り返る。 
   飲酒量を減らしつつ、最終的には酒に頼らない生活をめざす。

  従来のアルコール依存症の治療は断酒が一般的だった。 医師とのカウンセリングや
   当事者が集まる自助グループに参加し、断酒の意欲を高めたり、飲酒防止について
   理解を深めたりする方法が中心となっていた。  筑波大付属病院の“吉本医師”は
   「人によって依存の程度も背景も異なり、酒量を突然ゼロにするのは難しい。 無
   理をすればリバウンドや失敗を繰り返して自暴自棄に陥る懸念もある」と指摘。

  アルコール依存症に対するハームリダクション治療は、減酒を通じ健康被害を減らす
   方法として欧州で2000年代に広がった。 英国の国立医療技術評価機構(NICE)
   や欧州医薬品庁(EMA)が作成するアルコール依存症治療のガイドラインに掲載され
   ている。  日本では国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)が2017
   年、これらのガイドラインを参考に減酒外来を設けたのが初とされる。
   19年1月に北茨城市民病院(茨城県北茨木市)、21年11月には笠間市立病院(同
    県笠間市)
も外来を設けるなど、対応する医療機関は広がっている。
  ハームリダクションが可能な医療機関数や、治療中の患者数を示す統計はないが、
   吉本医師が診療する茨城県内の3カ所のアルコール低減外来だけでも患者は約
   150人いる。 「常に1カ月半先まで予約が埋まっており、需要の高まりを
   実感する」という。

  賭け事にのめり込むギャンブル依存症の治療にも応用されている。
   埼玉県立精神医療センター(埼玉県伊奈町)は19年ごろにハームリダクションを
   導入した。 パチンコでは、店のない通勤ルートを選ぶなど刺激を排除するた
   めの助言をしつつ、行く場合も通常の4分の1の貸玉料で遊べる店に変えるなど
   経済的な損失が少なく済む治療を心がける。

  ハームリダクションの普及に向けた課題は家族や周囲の理解を得ることのようだ。
   家族には健康や金銭面で被害が大きくならないよう早期に断つよう望むことが
   多く、徐々に酒量を減らすなどしていく方法に抵抗感を抱く場合があるという。
   同センターの“成瀬医師”は「ハームリダクションは依存脱却への一歩であり、
   患者を否定せず、苦しさに寄り添い、孤立させないことが大事だ」と話してい
   るそうです。

  潜在的な依存症患者は国内も多数いるとされている。 厚生労働省はアルコール
   依存症が疑われる人は107万人、ギャンブルなどへの依存は320万人に上
   ると推計する。
  世界保健機関(WHO)や日本アルコール・アディクション医学会によると、コロナ
   下で外出自粛などが続き、人々のストレスや不安感が高まったことでアルコー
   ル依存症やギャンブル依存症の拡大、悪化が懸念されているという。
  国内に専門医は多くない。 同学会に所属する医師や研究者などは950人ほど
   で、2022年3月時点で依存症専門医療機関を選定する自治体はアルコール
   で62,ギャンブル依存で53という。
   同学会の“白石医師”は「アルコール依存者や予備軍にあたる人は多く、依存症
   の専門医だけでカバーできない。 国民病と捉え、すべての医師が依存症に関
   する知識を身につけ、早期発見や治療につなげていくことが必要だ」と指摘。

   両方ともやらない私がいうのはおかしな話ですが、「健康や金銭のため」には
    「ほどほど」が一番ではないでしょうか。 周りのいろいろな皆様にご迷惑
    をかける前にもう一度お考えなされたらいかがでしょうか‥。