昭和47年、59歳であっけなく逝ってしまった父は 謎の人です。
親兄弟の縁は薄かったようで 親戚づきあいは
ほとんど有りませんでした。
一軒 資産家の親戚があり 子どもの頃
お屋敷に連れて行かれたことが有りました。
父が亡くなってから 兄と言う人がお参りに来ました。
佐田啓二のような二枚目でした。
母はなんの愛想も無く もてなしもせずにさらりと
帰しましたから 父の事を聞く事はできませんでした。
伯父が帰ったあと、
「あの人は 若い頃から 放蕩息子で 勘当されたんだよ」
とつぶやいていました。
伯父は昔話をしたかったのだと今になって思います。
父の事を聞く術はもうありません。
案外親のことを何も知らずに時を過ごしてしまう
ものかも知れないですね。
黙祷。