eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

eLCの月例会

2005-03-18 14:21:09 | イーラーニングコンソーシアム
昨日おこなわれた日本イーラーニングコンソーシアムの月例会に参加しました。月例会では、何人かの方々が、2005年度方針について、建設的な意見を発言しておられました。

わたしは、現段階では、なにも発言していません。当面、小松会長や理事会と十分な意見交換、討議をおこないたいと考えています。

全体の合意をえられる方向をめざしたい。

人材投資促進税制

2005-03-17 12:27:09 | 企業研修
新聞などで報道されているので、ご存知だと思いますが、今年4月から、「人材投資(教育訓練)促進税制」が、3年間の事業年度に適用されます。

この税額控除の制度は、過去2年間の教育訓練費の平均を基準として、増加額の25%を法人税から控除するというもの。増加したものが対象になるということが、重要なポイントです。

対象となる費用には、講師などの経費、教材費、外部施設の利用料、講座などの受講費用、外部研修機関への研修委託費などがふくまれます。

われわれにとって、追い風のひとつです。

ことしのはじめにも書きましたが、今年は、教育研修が企業にとって大きな課題になり、社会的にも注目されることはまちがいありません。

中途半端では、だれもが不満

2005-03-17 10:49:01 | イーラーニングコンソーシアム
日本イーラーニングコンソーシアムについて、補足的にのべたい。

これまで、指摘してきたように、現在の低迷の根源は、NPOなのか業界団体なのかということがあいまいになっているところにありそうです。

NPOとしての活動を期待している人たちにとっては、「それぞれのeラーニング事業をする方々が事業促進されるという原点」を活動方針の基本とされると、当惑があるのではないだろうか。活動方針に、「ユーザー教育」が明記されていても、それは、eラーニング事業者からの「教育」であり、eラーニング事業者の事業促進のための教育ということになる。

もし、ユーザーも大きな役割をはたすNPO法人であるならば、「ユーザー教育」は、ユーザーのためにおこなわれるものであり、その教育の主体としてもユーザーがかかわることになります。

本来のNPO活動をめざすひとたちには、この方針は、納得できるものではない。

では、業界団体の活動を期待する人たちはどうか。そう期待させるようなあいまいさも、現在はあるのだから、期待も存在している。その場合も、NPO法人の性格上、本来の業界活動はできないのだから、期待にこたえることはできない。

業界活動を期待するひとたちにも、大きな不満を残している。

中途半端であるために、あらゆる立場の参加者が、活動に疑問をもつことになる。

会費も、その中途半端さを反映している。業界団体なら、20万円はありうるかもしれない、ということで会費をはらっていても、活動内容に疑問がでてくる。

くりかえしいっているように、原点にかえるべきだ。「調査・分析」「普及」し、「社会に貢献する」という定款に書かれているNPO法人の原点に。業界団体は、NPO法人として認可されない。

そして、業界をあげて、あたらしい業界団体の結成を準備すべきではないだろうか。業界団体とNPO法人が、よい協力関係をつくりあげていく。

eLCの2005年度方針について

2005-03-16 12:04:41 | イーラーニングコンソーシアム
がっかりばかりもしていられないので、日本イーラーニングコンソーシアムの2005年度方針案について、多少、考えをのべてみたい。

以下については、けっして、現在の執行部を批判しているのではない。最後にも述べているように、現在の理事をはじめとする活動をになっている人たちには、深く感謝している。
以下については、これまでのことではなく、今後についての討議の足しになればということで書いている。
見当違いの意見であるということなら、お許しを願いたい。

第一は、基本方針について。
2005年度方針案には、「方針案のポイント」として、「eラーニングの普及促進に貢献する活動を通じて、結果としてそれぞれのeラーニング事業をする方々が事業促進されるという原点」にたちかえることが、とりわけ大きな字で書かれている。

ここに、まちがいの根本がある。定款をよく読んでほしい。こんなところに原点はない。

原点を再確認しよう。
定款に書かれている目的は、前に引用したとおりだ。
「調査・分析」し「普及」させ、もって、「社会に貢献する」のが目的だ。

「eラーニング事業をする方々が事業促進される」ことは、目的ではない。定款には、そのようには書かれていない。この団体は、けっして業界団体ではないのだ。こんな活動方針をかかげるから、ユーザーや研究者不在の団体に変質するといってよいのではないだろうか。

今回の基本方針は、NPOとしての定款の目的を逸脱し、ねじまげるものだ。

「原点に立ち返って」と書かれている。それなら、定款の目的にたちかえるべきだ。
コンソーシアムは、「eラーニングの事業をする方々」の組織であってはいけない。ユーザーや研究者などがもっと大きな役割をはたすべきNPO組織なのだ。

第二は、組織について。
この方針案を読んでだれもがおどろくのは、大半のページが、組織についてついやされていることだ。
活動方針については、パワーポイントで、わずかに1ページ。組織については、14ページ。
「活動のスピードをあげ」と最初に書かれているので、組織が簡素化され機動力がアップするのかと思って先を読んでみると、逆に複雑な組織が提案されている。

わたしは、以下のようにすべきだと考えている。
この組織は、目的にそうかたちで、ユーザーをはじめ広く開放されるべきだ。そのために、会費は、大きく引き下げることも必要になる。とくに、個人会員は、数千円にしたほうがよいだろう。法人会員も会費をさげる。理事会員の会費をたかくしている団体もある。
組織は、いったん、シンプルにする。理事会の人数などもしぼるほうがよいだろう。任期は1年。商法がかわって、会社でも取締役の任期は1年になっている。

さて、現在、ちょうど新年度を直前にして、新しい方針や組織体制をきめる時期にきている。1年後でなく、この機会に、見直しをしないとタイミングを逸するのではないだろうか。

日本イーラーニングコンソーシアムは、これまで、大きな役割をになってきた。活動をささえる理事をはじめとする方々の努力に深く感謝している。わたしとわが社は、これまで十分に活動にくわわるだけの余力をもちあわせていなかったので、協力には限界があった。したがって、方針などについても、わたしたちの意見はひかえてきた。

しかし、いま、日本イーラーニングコンソーシアムは、正念場にあるのではないだろうか。わたしたちに活動に積極的に参加する力がない以上、わたしたちに発言権はない。つい最近まで、何も言わずに立ち去ることも考えていた。
やはり、それもできない。

発言する以上、2005年度の方針が明確になり、原点にもどった本来のNPO活動が展開されるなら、可能な限りの協力をしていきたい。ただ、方針が混乱のままであるなら、活動に踏み込むよりは、発言を継続していくつもりだ。

日本イーラーニングコンソーシアムが、業界団体とまちがうような混乱をおこしている理由は、eラーニング業界に業界団体がないからでもある。業界団体があればとり組むべき課題はいくつもある。

わたしは、日本イーラーニングコンソーシアムがNPOとしての本来の活動・組織方針をとりもどすとともに、業界をあげて、業界団体の結成の準備をはじめるべきだと思っている。


がっかり、eLC

2005-03-15 18:49:05 | イーラーニングコンソーシアム
日本イーラーニングコンソーシアムの2005年度活動方針案が示された。活動については、いくつかの抽象的なことばがあるだけ、大半は、組織いじりになっている。

これを読んで、積極的に議論に参加する意欲も失いかけているのが率直なところです。

どうして、こうなるのだろうか。

がっかりばかりしているわけにはいかない、とも思うのですが。

日本イーラーニングコンソシアムについて

2005-03-14 13:44:57 | イーラーニングコンソーシアム
日本イーラーニングコンソシアムは、存在意義をめぐって大きな転機にあるというのは、参加各社の共通の認識だと思う。その背景には、活動の行き詰まり感があるといってよさそうだ。

なぜ、そうなったのか。どうすれば打開できるのだろうか。本格的な改革と明確な方針がだされないなら、ALICと同じように、どんどん活動が停滞していくだろう。
存立をかけた正念場にある。

参加各社に、真剣に討議する用意があるのか。理事のなかだけの議論になるのか。

このようなときは、原点にたちもどるのが一番だ。

定款には、目的について、以下のように書かれている。
ーーー
この法人は、世界中のe-ラーニング(インターネット等の情報通信技術を利用した教育研修の総称)の分野で開発される技術、運営システム、教育工学、事業の推移を常に調査・分析し、 先進諸国に遅れることなく、従来から続く教育、研修の枠組みを超えて、 国内において企業内研修、学校教育にe-ラーニングを高度なレベルで 広く普及させ、もって情報格差(ディジタルディバイド)を克服しながら多くの国民が情報社会においてより よく生きることができる社会の実現に貢献することを目的とする。
ーーー
つまり、「調査・分析」し、「普及させ」、「貢献する」ことが目的なのだ。

もともと、調査・分析・普及を目的とする団体なのである。
業界団体では、まったくない。

ここの混同が、基盤をあいまいにさせている。

業界団体は、業界の各社が、業界の発展のために組織するものであり、自動車工業会や鉄鋼連盟など、業界ごとに存在する。残念ながら、eラーニング業界には、まだ業界団体が存在しない。

業界団体が存在しないために、コンソーシアムに、業界団体的な期待が寄せられたり、業界団体とまちがう意識があったりする。これは、コンソーシアム側に問題があるのではなく、業界団体を結成していない業界各社の側の責任でもあろう。

もし、調査・分析・普及団体に徹するというのであれば、加入者は、ユーザーや、研究者や教育機関関係者、個人にまで思い切って拡大すべきであり、会費も大幅に値下げすべきだろう。

われわれは、日本イーラーニングコンソシアムの活動を十分にささえてきたわけではない。理事の方々の努力に感謝しながら、活動をになえない力不足を反省しているのが現状だ。今後のありかたを考えるうえでも、その新しい方向にどこまで責任をもてるかということで、発言も控えめにならざるをえない。

ただ、業界団体の結成には、各社の力をあわせなければならないと考えている。業界団体が結成され、十分に活動していくなら、日本イーラーニングコンソシアムの役割も明確になる。ふたつの団体のすばらしい協力関係もうまれるだろう。

ネットラボシリーズ開講

2005-03-08 13:43:14 | Netlearning,Inc.
ネットラボは、ネットラーニングの登録商標ですが、学習者の手元のブラウザーの中に実行環境を提供するというものです。

今回は、「UNIX Step1(NetLab)」を開講しました。レッスン、確認テスト、エクササイズのチュータによる添削指導のほか、課題実習があります。

ログインボタンをおせば、UNIXの実行環境が起動し、実習課題にとりくむことができます。

スキルをみにつけるには、実際の環境のなかで実習するのが一番です。モニターの方々の評価もきわめて高く、有効な学習方法であることが実証されました。

今後、このシリーズを充実させて、情報技術者教育における実習型研修を発展させていきます。

MOTコース開講

2005-03-04 12:35:38 | Netlearning,Inc.
早稲田大学ビジネススクールの執筆・監修により、MOT(技術経営)コースを開講した。

MOTは、技術幹部スタッフのための技術経営教育として、日本でも各大学が力をいれはじめている。早稲田大学は、そのなかでも中心的な役割をになう位置にある。

今回、ビジネススクールの5人の教授の方々が執筆され、5つのコースがスタートした。

実践的なケーススタディと、提出したレポートをビジネススクールが添削指導するところに大きな特長がある。モニターを募集したところ、1日をまたずに倍の応募があり締め切ったというほど反響が大きい。

このコースの記事は、2月17日の日経産業新聞に大きく掲載された。幹部クラスの教育としてもeラーニングが普及してきていることも注目されている。