映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」

2021年06月20日 | ホラー映画

隕石に乗って飛来した宇宙生物に支配され、
聴覚の発達したエイリアンに捕食されないよう
音の出せなくなった世界を描くホラー第二弾。

長めの冒頭が、宇宙生物到来の瞬間、
まだ平和だった頃の話なので子供の野球の試合とかしている。
そこから徐々に恐怖のルールを学習していくところとか
大変良かった。
そして前作からの続きパート、
相変わらず音の出せないヒヤヒヤ感を楽しめました。

終盤までバレ

お前泳げなかったの!?まじ!?
面積狭いめの島国、セーフなのでは!?

あと相変わらず長女ちゃんの行く所、
流血とトラブルありなのだった…。
状況の根本解決も長女ちゃんがもたらすんだけど、
死と破壊の女神かよ…。
勝手に飛び出していった私の娘を命懸けで探しに行きなさいよ!!!!!
って言われる赤の他人のおじさん、かわいそうだったな。
あと長男くんはひとのおうちの中を勝手に探検するんじゃありません。

最近見た映画で、刺された夫とその犯人を目の前にした妻が
ピエエエエって赤ちゃんのように泣いているだけで「?」だったのですが、
この映画は、巨大な何かが数m先に降ってきたのを見た夫が
それが何かを視認も思考もせず、0.5秒で子供を引っ張って逆方向に猛ダッシュしたり、
車を運転中の妻が、まだ平凡な主婦だったにもかかわらず
エイリアンにハチャメチャにされる車道を走り抜け、
通常のスピードで逆走をやってのけるというハイスペックぶりを発揮し、
ストレスがなくてよかった。
瞬発力において我々はアメリカ人に永久に勝てないのではと思います。

他のおうちは子供さんが全員亡くなったりしてたので
やっぱり主役一家、凄腕のサバイバーだったんだよ。

興行成績が良いので、続編やスピンオフ企画があるみたいですね。


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「キャラクター」

2021年06月17日 | サスペンス映画

漫画家を志すも芽の出ない男性が、
ある日、一家4人皆殺しの事件現場を目撃したことから、
その犯人を主人公に猟奇サスペンス漫画を描き、大ヒットするが、
殺人鬼が徐々に近付いてくるという話。
浦沢直樹さんとよく仕事をされている長崎尚志さん脚本なので見に行きました。
昨今珍しいほど人間が包丁でブスブス刺される映画なので苦手な人は注意。
猟奇殺人犯を演じたのはSEKAI NO OWARIのリーダーの人で、
役者デビューされたのだそうです。

ラストばれ

登場人物5人のうち4人が刺される包丁ムービー。
とくに小栗さんは、主人公だと思ってたので死んでびっくりした。
(漫画家さんは冒頭の、マグカップに煙草の吸い殻を入れるシーンで、
食べ物を灰皿代わりにするのは悪人ですよという鉄板の目配せだと思って、
最後闇落ちするのだと思っていた。
冒頭で「絵は上手いけどありきたり」とか
「サスペンスが好きなのに悪人が描けない」とかめちゃくちゃdisられてたし)

面白かったのは漫画の作画で、 映画やドラマで漫画家が出てくるときは
8割くらいはアナログ作画な印象なんですが、
この映画はヒット作の猟奇殺人漫画を描いているときはデジタル、
売れてない時代と心のままに描くと決意したときはアナログ
という風に使い分けてありました。
潜在意識的にアナログ=温かい・情熱・努力、
デジタル=冷たい・技術的・効率主義、
みたいなイメージがあるのかな。
画面に出てくる枚数が桁違いに多かったので
作画の江野スミさんは大変だったろうと思う。

あと猟奇殺人犯くんが、漫画家に
人の苦労も知らないで!人を殺すのって大変なんだぞ!
2日くらい寝込むんだぞ!って逆切れしてたところも面白かった。
私もよく木製家具を手斧で粉砕するんですけど、
何かを振り上げて思いっきり振り下ろすのって
想像以上に体力消耗してそのあと行動不能になるんですよ。
分かる~!

不満点はヒロインがお茶くみからくり人形扱いだったところです。
今の20代の女性で緊急時にあんな挙動のひとっている!?
刺されて重体の夫と、その犯人がいる横でパニックになって泣くだけってある!?
ラストは、赤ちゃんは結局生まれたのか、
それとも違うのか分からないエンドなのかなって思いました。



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「るろうに剣心 最終章 The Beginning」

2021年06月10日 | 恋愛映画

前作で発狂して大暴れしていた縁さんのシスコンの原因、
美人のお姉さんの巴さんと人斬り時代の剣心のラブストーリーです。
今回は、ないわけではないがアクションは少なめ、恋愛もの時代劇なので、
各自が己の趣味によって行ったり行かなかったりするといいと思います。
過去編なのでいつものメンバーは出てこない。

セットが良かったです。
剣心の新婚ハウスはオープンセットだそうで、
あと前半の舞台の宿屋、あんな風に屋内に川が流れてちゃ、
冬は寒いわ、夏は虫が大量に発生するわ臭いわ台風で増水して浸水するわで
たぶん実在しないと思いますが、美術としては完璧で、良くできてました。
細部の襖の傷み具合に至るまで細やかだったなあ…。

桂さんが、高橋一生さんで、相当に、わるやさしい桂さんでした。
優しいけど悪い!気遣いながら人殺しさせる感じの!
あと斎藤さん出てましたけど、画面に映るたび
「土方さん……じゃなくて斎藤さんか」を10回くらい繰り返した。
江口さんが土方さん顔なんですよね。

どうでもいいことですが、新撰組の羽織の丈が長くて、
生地の質も柔らかそうで、みんな魔法使いみたいだった。
指輪物語に出てきそうだった。

人の心のない時代の剣心の話なので、
戦いかたがジャンプ漫画の主人公にあるまじき薄汚い感じでしたね。
耳を食いちぎったり、死に損なって這ってる人を串刺したり。
まあそういう男が、愛する女と出会って、畜生道を脱する話なのでした。
とっぴんぱらりのぷう。


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「コンティニュー」

2021年06月08日 | SF映画

主人公の男が目覚めると同時に、殺し屋が襲ってくる。
しかし男はまるで相手の動きを予測していたように難なく攻撃をかわし、
朝のコーヒーを楽しむ。
なぜなら男はその朝を140回繰り返しているから…というループものです。

面白かったです。
矢継ぎ早にイベントがどんどん発生して退屈しない映画が好きな人におすすめ。
主人公が死んで死んで死にまくるので、やや残酷シーンへの耐性は必要です。
ループものは近年のド傑作「ハッピー・デス・デイ」があるので、
あれを越えるのはなかなか難しいが善戦している

同じループものの「ミッション:8ミニッツ」と、
殺し屋と戦う「ガンズ・アキンボ」を足して割ったようなお話です。
主人公を殺しにやってくる刺客が個性豊かで面白い。
ミシェル・ヨーが、少し出ておられます。
主役を演じたフランク・グリロさんは
マーベル映画でこじらせたヴィランを演じておられましたが、
この人、悪役を演じるとこじらせ悪役、
善人を演じると疲れた善人に見えるの、お札の肖像画の山折り谷折りみたいで面白い。
なにげに今年もお仕事たくさんされているの、良かったねえと思ってます。

ラストまでばれ

この映画の笑いのセンスが、わりと好きで、
主人公がパンツの中に手を突っ込んでウォォォってなってるのを目撃する
安全保障のひとのシーンとか、
あと「デブのユニコーンだ」のセリフはしびれましたね。
脳の、味覚を処理する部位が刺激されてマフィンの味がしたのでしょう。
わくわくしました。
メル・ギブソンはあまり見せ場がなかった。
猪と蛇の話とか、そんなしょうもない話は
対面でなくてもオンラインで十分やろが!!!と思うようになってしまった2021年。
悪のボスはしようもない小話をするとき、
いちいち部下を呼びつけないでください。
動画をUPしておいてくれたら後で見ます。

ところでハリウッド映画におけるスト2の登場率高すぎなんですが、
eスポーツ振興のためロイヤリティ的なものがフリーになったりしてるの??
あと、英語話者には波動拳が「アルゲン」に聞こえる……?なぜ?

ところで息子くんを演じたのは、フランク・グリロ氏の実の息子さんだそうです。
私は全然気付かなかったけど後で知った。

スピンドルの理屈は最後まで分からなかった。
登録された人間が現実改変能力を持つことになる?
いやでもあの解決法でいいなら、
しょうもない小話の時に元妻が撃ち殺せばよくない?
専守防衛的な見地からスピンドルを使わざるを得ない感じ?
あと結末どうなるか分からないエンドでしたけど、
その嫁大丈夫?サノスおばさんじゃないの?と少し思いました。



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「アオラレ」

2021年06月06日 | ホラー映画
夫と離婚調停中の美容師の主人公は、
朝寝坊して大慌てで息子を学校まで送る途中、
信号が変わったのに気付かない前の車両に苛立ち、
大きくクラクションを鳴らし追い抜く。
よくある小さなトラブルに思えたが、
その運転手の男は主人公を恨み、追ってくる…という交通ホラーもの。
男は職と家庭を失っていて、いわゆる「無敵の人」状態なのですが、
夫を見限る妻全般とそれを助ける弁護士を何より憎んでいます。
演じるのはラッセル・クロウ。

最近のホラーにしては珍しく、善意のひとがドシドシ死ぬ話で
なおかつ主人公はあんまり同情できない感じで(私は)
うんまあどっちもがんばれー!って思って見てました。
息子くんはかしこくてかわいかった。

ラストまでバレ

無敵の人、昔は妻子がぶん殴られて受け皿の役目をしていたのかもですが、
もうそんな時代ではないのでね。

主人公の罪を数えるけど

・まず寝坊
・携帯にロックを掛けない。ありえない
・クラクション…は、あの状況だと仕方ないけど
・サイコクロウが最初に丁寧に謝った時にごめんって言っておけば
・襲撃を最初に巻いたあと駐車場でヒーフーせずに警察署に行っていれば
・充電器を持ち歩かない。何のための充電器なのだ

息子君の助言は全部正論。
主人公がモバイルにロックを掛けていなかったせいで、
知り合いや家族がどんどん殺されたの、
交通マナーよりむしろモバイルにロックを掛けよう啓蒙映画でした。

スタンドでサイコクロウにはね飛ばされた親切な男の人、
生きてるだろうか。めちゃいい人だったので心配です。
あと弁護士さん。1ミリも悪くない。
監督が、駄目人間が好きで、
まっとうで親切な男のことは嫌いなのは伝わってきた。

あんな大男にボカスカ殴られた直後に
「もう帰っていいですよ」って言われて車の運転を…?って思ったけど、
西欧の病院では出産直後に歩いて病室を移動させられるらしいし、
アジア人が脆弱なだけかも。脳震盪とかおこすの黄色人種だけかも。

主人公はまず遅刻癖を直そう。

原題は「Unhinged」で「あたまがおかしい」なんですけど、
英語の場合はヒンジ、日本でも「頭のネジが飛んでる」など、
部品の欠損で譬えるのは面白いですね。


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