映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「海獣の子供」

2019年06月16日 | アニメ映画

五十嵐大介さんの漫画をアニメ化。
監督は渡辺歩さん。ドラえもんで実績を積まれたかたのようです。
音楽は久石譲さん、主題歌は米津玄師さん。

女子中学生の主人公が、ハンドボール部への参加を禁じられ、
夏休みの時間を持て余して、父の勤務先の水族館へ行く。
そこで出会った不思議な少年「海」はジュゴンに育てられたという不思議な子で、
兄の「空」と共に研究検査されていた。
主人公が兄弟2人と過ごす不思議な夏の時間の話。

陰影を描線で表現している複雑で繊細な絵柄と、
説明なしに隠喩を多用して進んでいくお話の原作漫画を
よくアニメ化しようと思ったなあと驚きました。
色彩とか、まさにこれ!という色で、あと音が付くのがやはり大きいですね。
目が印象的で、キャラクターの見ている物が目に映るシーンが何回かありましたが
どれも綺麗でした。
水族館の過去シーンはスクリーンで見るべきって思いました。

考えるより感じる、あらすじより空気感、な映画なので、
美術系のかた、夏と海と海洋生物の好きな人との相性は良いけど、
SF要素、スピリチュアル要素が苦手なひととはたぶん合わない。
よほどの個性派でないかぎりお子様向けでもないです。

内容ばれ

瑠花と海と空に絞ってあって、他のキャラクターのエゴはカット、
海洋にまつわる不思議なエピソードもカット、
グロいエピソードやイメージもカット、随分分かり易くなってるように思う。
祭りのシーンは、作画コストの関係だと思うけど、
あの宇宙感バリバリの表現より、原作通りの海!魚!水!海洋生物!
っていう、あれを見たかったのでちょっとだけ残念。
瑠花のお父さんがなぜか少し上げられて、お母さんが下げられていた。
理由は分からない。

EDは、椅子、うん分かるんだけど、
気が散るのでせめてパカパカするのやめてほしかった。
主題歌の使い方は意外に控えめでした。劇中3回くらいは流れるかと。


エンドロール終了後にわりと大事なシーンがあるので注意。

主題歌 米津玄師さん「海の幽霊」
https://www.youtube.com/watch?v=1s84rIhPuhk

最近の劇場オリジナルアニメは予告でいい音楽をガーンと鳴らして
お客を呼びこむのがマストみたいなところあるよなーと思いました。
新海誠監督「天気の子」RADWIMPSと、米津玄師さんと、
あと湯浅政明監督「きみと、波にのれたら」のジェネレーションズ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アラジン」

2019年06月10日 | ファンタジー映画

27年前のアニメを実写リメイク。
価値観の刷新のやり方、私は好きです。
ジーニーをウィル・スミスが演じます。
予告段階で散々「青いウィル・スミス」と言われてましたが、
これがなかなか良かった。
アニメのジーニーより人格が若干大人で、
永久の隷属への諦念みたいなものも感じられて
一種の色気がありました。

砂漠の王国で泥棒をして暮らしているアラジンは、
貧しいながらも弱い者の味方だった。
彼は行商に盗みの疑いをかけられている美女を助けるが、
その身なりから、彼女を王女付きの召使だと推理する。
その頃王国の大臣ジャファーは、国を手に入れるべく
伝説の魔法のランプを探していた…というあらすじ。

監督はガイ・リッチー、脚本はベテランのジョン・オーガスト。
私の見る限りではガイ・リッチーっぽさはゼロで、
キレキレの会話とか、お得意の時間スキップ演出とか、
分かりやすさより格好よさを優先した演出とかは無し。
口にダクトテープを貼られて椅子に縛られていたのでは…
と思いましたが、まあガイ・リッチー監督は私の担当ではないので
ファンのひとが見たら違うのかも。
いや、でもリメイクとしてはほぼ完璧でした。

内容ばれ

クラシックなプリンセスにはそれなりの良さがありますが、
21世紀に、本当の恋を求める心優しいプリンセスとかそういうのを
やる訳にはいかないので、あの改変が最適解だと思います。

あとジーニーですけど、
ジャファーに奪われてからのジーニーに萌えたので、
もしや現在の世界中のNTR属性のひとのうち、
何割かは「アラジン」で目覚めた人なのではないかという疑念を持ちました。

侍女さんと絨毯くんが可愛かった。
絨毯くんはぜひ「Drストレンジ」のマントさんと友達になってほしい。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「神と共に 第一章 罪と罰」

2019年06月06日 | ファンタジー映画

高層ビル火災の救援活動の最中に
女児を助けて命を落とした消防士の主人公は、
使者の来訪を受ける。
彼はこれから地獄で7つの裁判を受けなければならず、
その判決によって刑罰を受けるか、転生できるかが決まるとのこと。
使者達は主人公の弁護と警護を行うチームだった。
人を助けて命を落とした主人公は、
「貴人」という大変珍しい身分を与えられ、
裁判も楽に通過できるはずだったが…というあらすじ。

第一章は真面目な主人公とその家族の絆がメインなので、
めちゃ泣けます。
サブの要素は、グレイのロングコートを身に着けた
使者達のアクションと謎めいた過去ですが、
この使者達は元人間で、前世の記憶がありません。
第二章は使者達の話になる予感。
なんだか伊坂 幸太郎さんの書かれた「BLEACH」という感じがする。
(原作は漫画らしい)

エンドロール後に2章の予告があります。
みんなの兄貴、マ・ドンソクさんが出てくるよ!

内容ばれ

母の献身と息子の孝行という非常に馴染のあるテーマ。
この部分を予告でジャンジャン流せば、
日本の動員はもっと増えるのではないかという気がする。
しかしこれ儒教も仏教も全然なじみのない国の人が見たら
どんな感じがするもんだろう。
(ちなみに7日ごとに7回の裁判を受ける故人のために、
現生からエールを送る、というか裁判官に口添えするシステムが
初七日、四十九日などの法要)

お話の運び的に仕方ないとはいえ
便利アイテムがあるのにそれを全然活用せず、
誤った判決を連発するシステムはハリポタ界の裁判を思い出してイラっときます。

第二章は裁判官達を巻き込んだ燃え展開希望。
リーダーとマ・ドンソク兄貴は勿論のこと、
リーダーと後輩君、リーダーと弟くんにも何か因縁がありそう。
そしてリーダーと閻魔大王も、
過去の裁判の時に何かあったんでしょう?そうでしょう?
第二章楽しみです。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「プロメア」

2019年06月05日 | アニメ映画

SFロボ火消しグレンラガンX-MENという感じのお話。
3DCGと、大胆にデフォルメ・簡略化された絵がマッチしていて、
最近の偏執的背景描きこみアニメ映画とは逆のシンプルな絵柄ですけど
その代り物凄い勢いで動きます。目が慣れるのに10分ほどかかった。

感情の乱れと共に炎を噴出する、バーニッシュと呼ばれる新人類が突然現れ、
世界の各都市で大火災が起こり、人口の半数が死に至る。
自治共和国プロメポリスではバーニッシュを取り締まる一方、
彼等の炎に対抗すべく高機動救命消防隊バーニングレスキューを組織し
消火救助活動にあたらせていた…というあらすじ。

脚本は中島かずきさんで、いつもの中島節ですけど、
5割はグレンラガンなのでファン必見。
特にヴィラル好きな人は行った方がいい。
熱血主人公を松山ケンイチさん、
被差別人種のテロリストの首領の美少年を早乙女太一さん、
主人公が尊敬する指導者を堺雅人さんが演じます。
新感線に客演or常連メンバーですね。

終盤ばれ

主人公と対になる敵との和解を表現するのに
21世紀のアニメはキスするんだな~そっか~。
これは流行っていいと思います。

しかし最後全部消えてめでたしめでたしなの、
すごい力技だ!

アニメ沼のひとで、この映画が初の中島さん作品で
熱血ロボ、 見得切り前口上にビビっときたかたには「グレンラガン」を推します。
私はグレンラガンを21世紀の原作なしアニメベスト10に入れますが、
長いのでそこは覚悟してください。
洋画のひとなら新感線のほうがいいかな(日本のアニメなので女性の扱いはそれなり)。
「髑髏城の七人 アオドクロ」か「蛮幽鬼」おすすめです。

蛮幽鬼
https://www.youtube.com/watch?time_continue=6&v=_S_vXBJUfYE




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

2019年06月04日 | 特撮映画

レジェンダリー・ピクチャーズによる大怪獣大好き映画、第3弾!
「GODZILLA ゴジラ(2014)」、
「キングコング  髑髏島の巨神」から続いていますが、
見てなくてもまあギリOK。
(モナークという怪獣大好き組織があって、
そこには怪獣大好きマッドサイエンティストが
多数所属しているという事だけ把握していれば…)

サンフランシスコにおけるゴジラとムートーの激戦で
多数の死傷者がでたことによって、
怪獣の存在を秘匿していたモナークは、
その責任を問われ、軍への権限移行を迫られていた。
一方モスラの幼虫との交信実験を行っていた雲南省モナーク基地では、
テロリストの攻撃により、エマ・ラッセル博士と娘が拉致される、というあらすじ。

怪獣がいっぱい出てくるし、登場シーンは美しいし、
旧作リスペクトと怪獣愛と日本リスペクトに溢れているし、
巨大生物好きな人はすごく好き、合わない人は合わない、はっきり分かれる映画です。

光源が背後にあって神々しいカットや、
スモークの中でシルエットの際立つカット、
対峙する怪獣を引きで撮ったカットが絵画的で、
この人は怪獣のフォルムが好きなんだなあと思った。特にモスラが綺麗でした。

内容ばれ

モスラさんとゴジラさんの間には特別な絆、というか愛情が…っていう設定には
「!?」ってなりましたけど、モスラさんキラキラ輝いてました。
ラドン、緊急脱出のパイロットをヒョイパクするの、ダイナミック給餌機でした。
ネットで「ゴマすりクソバード」って言われているのを見てふいてしまった。
たしかにラスト、お前…どの面下げて…って思った(笑)。
喉に穴空いてるのに丈夫だなあ。
ギドラは、向かって右のやつがアホ…いやヤンチャで
真ん中のやつがしっかりしてるの可愛かった。
しかし君ら繋がってるのにネットワーク的なものはないんだね。
ゴジラさん、おやすみからの復活シーン2回もあってちょっとタルかったですが、
どっちも妻が起こしにきたのでフフって感じでした。
でもおうちが爆破されちゃったね…。

どうでもいいけどオキシジェンデストロイヤーが
ゴジラおねんね装置兼、お魚を獲る道具に成り下がってしまった。

人間が増えすぎて地球を滅ぼすので
白血球の役割を果たす怪獣が出てきた、だから人間は死ぬべきというお母さんの理屈
似たようなスローガンの人が最近どこかで…って思ったけどサノスですね。
ネットで「サノスおばさん」って呼ばれてました。
なんかこの手の「地球が滅ぶから今すぐ人間を減らさないと」てきなキャラクター、
出てくるたびに「なんで地球さんの彼氏ヅラしてんの?地球さん迷惑してんだよ」
って思いますね。
「この人は死なないと駄目だな」って思ってて、死んだのでよしとします。
今回博士の死亡率高い。

主だった環境問題が全解決しました!というエンディング、
なんかレジェンダリーっぽい。
次回はいよいよコングと対決するようです。
コングさん、遠距離攻撃スキルがないのが若干不利。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする