最近映画化もされた、
合衆国最高裁判所の判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグの
ドキュメンタリー。
アメリカの急激な保守化、右傾化の中、
リベラル派の女性判事ということで主に若者を中心に人気が高まり、
アイコンとなっているらしい。
性差別に特化した法律家というと闘士のような性格を想像しがちですけど、
RBGは寡黙で内向的なタイプ。
彼女が評価されたのはバランス感覚と冷静さで、
実際女性差別問題だけではなく男性差別に対しても彼女は戦い、
勝利を勝ち取りました。
長いスパンで物事を考え、じわじわと距離を詰めていくタイプです。
彼女は切替が早く、仕事を離れると右派や差別主義者とも交友を持つことができ
母の教えを守って決して感情的にはならず、全体を見て意見を調整します。
(そんな彼女ですら現大統領を「詐欺師」と罵って謝罪する訳ですが)
(そして保守派の判事が増えていく現在、バランスを重んじる彼女は
大統領退任までどうあっても引退できない状況のようです)
内容ばれ
彼女が地位を得たのは、当然ご本人の才能と努力のたまものですけど、
(御夫君の看病と育児と勉強で1日2時間睡眠の頃もあったそう)
しかしよいパートナーに恵まれなさった点もかなり大きいと思います。
彼女自身も言及されていたように、「私の知性に関心を持ったのは彼だけだった」
そして他のかたもおっしゃってましたが、
「彼自身が優秀で自分に満足していたので、妻と競う必要がなかった」
御夫君は妻の仕事に合わせて自分の仕事を辞め、家事を請け負い、
生真面目すぎる彼女を常にジョークでリラックスさせ、
休養と食事をとらせます。
そして彼女の仕事のチャンスは自分のコネを最大限に使って彼女を後押しします。
故人ですが、残っている映像や手紙の文面はどれも愛情にあふれていて
結婚って素敵だなあ、と久しぶりに思いました。
(SNSを見ているとヘルウェディング案件があまりにも多すぎるので/笑)
RBG人気を象徴する物として、
グッズや、タトゥーの意匠、インターネットミーム、
それからバラエティ番組(ケイト・マッキノンがRBGに扮してた)、
色々と紹介してありました。
彼女は中絶選択権の支持派ですが、
最近アラバマ州、オハイオ州、ミシシッピ州、ジョージア州で
中絶禁止法の施行が決定しました。
いかなる理由であっても中絶を禁じる、どう考えても時代に逆行する法で
反対運動も盛んなようです。
RBGには、この先もずっとお元気でいていただきたいです。
彼女が引用したサラ・グリムケの言葉。
「私は自らの性に便宜をはかってくれと頼んでいるのではありません。
私が兄弟たちに頼んでいるのは、私たちを踏んでいる足を
どうかどけてほしいということだけです」
浅学にして存じませんでしたが190年ほど前のかたなんですね。