映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「マレフィセント」

2014年07月08日 | ファンタジー映画

ディズニーが始まりすぎている…。
まさかオーロラ×マレフィセント映画を撮るとは…。
公開が半年ほど先だった「アナと雪の女王」の影響を受けているのかなどうかな?
えーと、アンジェリーナ・ジョリーが
「眠りの森の美女」の悪役マレフィセントを演じます。
色々なお衣裳が拝めます。特にピチピチ黒のボディスーツは「それや!」という感じ。
幼女マレフィセントは、その筋の方は奇声を上げないよう注意が必要なクオリティです。
(Isobelle Molloy Maleficentで画像検索)

オチばれ注意ー

「アナと雪の女王」でもプリンセスの命を救う真実の愛は姉妹愛でしたが、
この映画ではもっと顕著で、王子様がキスしても何も起こらないんですよ。
でもオーロラに骨抜きにされてメロメロのマレフィセントが泣きながらキスしたら目覚める。

それでオーロラがすごい天使攻めで…なんか途中マレフィセントに
「16歳になったら私は家を出るから2人で暮らしましょう!」って口説きます。
マレフィセントはめっちゃ動揺しつつ「いいわよ」とか言っちゃうんですよ。

一応オーロラにもマレフィセントにもお相手の男性は用意されています。
マレフィセントのお相手、鴉のディアヴァルが(ディアボロですね)
めっちゃかわいいワンコタイプで(犬が嫌いらしいけど)、男女カプ萌えもありました。
オーロラのお相手の王子様はその空気ぶりがすごいですが、
まあ性格の良さと美貌は保障されています。
これ普通の映画の無個性ヒロイン状態だなーとか思いました。

「アナと雪の女王」との共通点は「男は裏切る」「真実の愛は女性同士」
なのですが、ディズニーは一体どこに向かっているのでしょう。
野獣とガストンの真実の愛とか、
ピーターパンとフック船長の真実の愛とかもやってほしい!



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「トランセンデンス」

2014年07月06日 | 恋愛映画

初期作品「メメント」からずっと、ノーラン作品の撮影を務めてきた
ウォーリー・フィスターの初監督作品です。
人工知能開発に携わる天才科学者のジョニデは
テクノロジー拒絶主義のテロ組織の凶弾に倒れ、余命わずかとなる。
彼の研究パートナーでもある妻が、
ジョニデの意識をスーパーコンピュータにアップロードしようとする。
というあらすじ。
SFというよりは夫婦のラブストーリーものです。
「her」と混同しそうですが、こっちのほうがもっさりしてます。
「her」はSF要素を大半切ってるけど却ってそれが良かった感じ。

めずらしくポール・ベタニーが常識的で誠実な普通の男の役です。
キリアン・マーフィーは「TIME」に引き続きあまり役に立たない捜査官役。
ゆるふわ可愛いからゆるす。

内容ばれ(褒めてない)

細部に色々気になる所があって、
まずテクノロジー拒絶主義のテロ組織がトップレベルの科学者を殺して回るのって
国益を損なう重大犯罪だし、国が本気で潰しにかかるだろう。
拉致監禁されているポール・ベタニーがいつまでも救出されないのもおかしい。
「もしかしたら危険かもしれない」サイバー人格ジョニデを破壊するというふんわりした目的のために
罪状のはっきりしているテロ組織とFBIが手を組むのもありえない。
あとモーガン・フリーマンが暖かい人格者風に登場したのに
後半あっさりヒロインを見殺しにしようとしたのも「?」だった。
作中の時間で突如2年経過していて、テロ組織を2年泳がせておいたの?とか、
2年あったのに、ジョニデは物理攻撃・サイバー攻撃に対してなんの措置も取らなかったの?とか。
そもそも2年って何のための期間?
町の工務店レベルの会社に依頼したから2年かかったけど、
普通に建設会社にまかせたら数か月で出来上がったんじゃ?
体の不自由な人たちは投げっぱなし?
だいたいジョニデの専門って人工知能開発なのに、再生医科学やナノマシンどっからでた?
ナノマシンって別に錬金術じゃないですよ!
とか次から次へと疑問が泉のようにわいてでた。

なにより殺人という手段で自分にとって不快なものを葬り去る集団を、
この映画は特に否定的に描かずに(報いも受けず非難もされない)、
(なぜか全世界のひとがその報いを受けた感じ…)
むしろテロにより目的を成就していたので、私的評価がかなり下がった。

関係ないですが
人工知能PINNの表示で「コンピューティング」(たしか)って
思いっきりカタカナだったシーンがあったんですが、あれ日本製なのかな…。



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「her/世界でひとつの彼女」

2014年07月04日 | 恋愛映画

スパイク・ジョーンズ脚本・監督作品です。
長く共に過ごした幼馴染の妻と離婚調停を進めている男が、
魅力的な思考型OSと出会い、恋に落ちる話です。
肉体のないOSとの恋という設定は
主に恋愛の障害として使われるので、
近未来を描いてはいますがSFではないです。

しかしこのパターン、よく考えると
日本のラノベや漫画に溢れかえった話ですが
大人の恋愛になっているのはさすがアメリカ製。
でも主人公のセオドアはラノベの主人公をおっさんににしたようなデモデモダッテ系です。
OSの声はスカーレット・ヨハンソン。めっちゃ色っぽい声ですねこのひと。
チキンハートのセオドアと、好奇心旺盛なサマンサの会話がかわいい恋愛映画です。

オチばれ

しかしこれSF的に考えると、思考型OSを作ったつもりが
新しい生物を創造してしまったことになり、しかもあんな危険極まりないものが野放しとか、
下手すると会社は倒産、開発者はCIAに拉致監禁とかされそうですが大丈夫なのか。

プログラムは開発会社のサーバで走ってるんじゃないかと思うんですが、
最後移動できるようになったのかな?でないとたぶん暴走という事でサーバ落とされちゃう。
やがては攻殻の人形使いみたいになる?

あと、最後に自殺者と鬱病を発症する人が大量に出そうだなとも思いました。
すでにメーカーが苦情でパンクしていて、ああいう形で回収するしかなくて
翌日に同じ声でもうちょっと穏当なOSが再インストールされてるといいのですけど。
でもサマンサみたいな(男性版も含めて)完璧な親友兼、完璧な恋人兼、完璧な親みたいな存在が
1人に1つ与えられたら、人類は遠からず絶滅すると思いますね。
ウルトラスーパージェット少子化で。

ところであの本物の女性以上に理想の女性っぽいOSの性格設計をしたのは男性エンジニアだと思うし、
逆に男性のOSの性格設計をしたのは女性だと思います。
(サマンサ、肛門性交のイラストが異様に上手だったな…)
どうでもいいことですが手紙代筆サービスって、相手にも代筆サービスを利用してますよって
宣言して利用するものなの?そうでない場合、本とか出版しちゃったら
顧客の秘密をばらしてしまったことにはならないの?





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「太秦ライムライト」

2014年07月02日 | アクション映画

時代劇で「先生!おねがいしますよ!」と呼ばれて出てくる用心棒役で有名な
斬られ役俳優、福本清三さんがとうとう主役になった映画です。 
松方弘樹が脇役なのです。これはすごい。
一生端役を通してきた役者さんが、その地道な努力を認められ
ハリウッド映画に出演し、トム・クルーズと共演したのち(ラストサムライ)
主演映画が撮られるって、一種のシンデレラストーリーだなあ!

時代劇が衰退しつつある太秦で、
亡き妻の思い出を胸に、不器用に斬られ役を続ける男と、
志を継ぐ若い弟子の交流を描くというあらすじ。
主人公と福本さんのキャラクターがほぼイコールなので
素で喋っておられる?…と思うようなシーンが幾つもあります。

所々もうちょっと説明を足した方が…そこは切った方が…という部分がないではないですが、
福本さんの、誰に対しても敬語で、どんなに親しくても常に一線を引き
慎ましく謙虚に…という人柄が前面に出まくっていて、そこに心を押されます。
もちろん殺陣は心ゆくまで鑑賞できるので大満足。
70歳を越えていらっしゃるのに、身体の柔らかさと瞬発力がすごい。姿勢の保持もきれい。
弟子役の山本千尋さんも、ポーズを綺麗に決めるなあと思ったら
世界ジュニア武術選手権大会でメダルをとっているひとだったので、
特撮に来て女レッドやらないかなこの子…って思ったり。

笑ったのが、映画内の架空のドラマで、
ダンスユニットのイケメンが主人公のトンデモ時代劇のタイトルが
「ODANOBU」なのでした。
来期からでも始まりそうなあるある企画すぎて逆に見たくなりました。
敵の名前が「AKEMITU」なんですが、明智光秀か…!って気付いたの、
しばらくあとだった…。


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