かわぐちかいじさん原作の同名漫画を実写映画化。
潜水艦やまなみは航行中の事故で圧壊し、
乗組員76名は全員死亡したと報じられた。
しかし実は日米共同開発の原子力潜水艦シーバット乗組員として選抜された彼らは、
秘密裏に脱出し、シーバットに乗り込んでいた。
日米首脳陣の予定通りに作戦が進行すると思われたが…というあらすじ。
30年以上昔の漫画なのだがなぜいまになって実写に…?
大沢たかおさん主演で、さすがの貫禄なのだが
海江田艦長の年齢設定より20程上なのではないか?
海江田艦長が唯一認めた同格ライバルの深町が、
かつての部下という設定に変えられている。
アメリカ軍の皆さんが全体的に
冷静さアップ、知能アップなさっていたのは良かったと思う。
なお、今後リアルの情勢が先行き不透明なためかロシア方面のキャラクターは消えた。
ラストまでばれ(せんそうはんたい)
君は山中なのかい?速水じゃなくて?と思ったら
速水は女性に性別チェンジしてた。
中村倫也さんと松岡広大さんの兄弟が
海戦ゲーム?をしているシーンはよかったです。
原作は原子力潜水艦に乗るスマートな天才の対比として
彼が唯一認める男の、普通の倫理観とディーゼル潜水艦の美学が語られて
バランスがとれていたように思う。
専守防衛を貫く強さを表現する沼田さん、
日本は二度と戦争をしてはいけないという首相、
様々な意見がフラットにあって読者が自分の考えを形成できた。
しかしこの映画は原子力潜水艦に乗る海江田艦長が絶対上位にあり
核兵器を脅しの武器として周囲を翻弄し格好いい存在のまま終わる。
会談では日本も自国を守れるようにならなければ…とか、
日本の核武装の第一段階…てきな物騒な意見しか出ない。
(まあ日本で女性議員がのし上がるには、普通の議員が言えないような
あの手の過激な発言をする便利な飛び道具になるしかないというのは現実あるある)
美しい日本を汚す者は許さないと言う自衛官と公安のドラマが高視聴率をとって
すぐあとに原子力潜水艦で日本がアメリカ海軍の優位に立つ映画、
そのあとにタイムスリップした女子高生が特攻隊員と恋に落ちる映画、
偶然だろうけどキナ臭くて眉が寄ってしまった…。
主題歌はAdoさん、楽曲はB'zですが、
ピッチを変えた稲葉さんの歌声に聞こえて、Adoさん器用だな…と思いました。