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ナショナル・シアター・ライヴ2018 「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」

2018年05月28日 | 舞台

1966年初演のトム・ストッパードの戯曲より。
ローゼンクランツ役はダニエル・ラドクリフ、
ギルデンスターン役はジョシュア・マクガイア。
この演目は舞台も映画も見た事がなかったので初見です。
「ゴドーを待ちながら」っぽいという予備知識はありました。
「ハムレット」の端役ローゼンクランツとギルデンスターンを
主軸にした不条理喜劇。
かなりコメディ寄りだったのが意外でした。

タイトルからも明らかですが、とりあえず死ぬ!(笑)
話の流れは「ハムレット」と同じなので、
なにがどこまでネタバレなのかよく分かりませんが、
とりあえず反転なしで書きます。ご注意。

メタ的な笑いが時々あって、
背後の相手のほうを向かずに客席へ向かって話す不自然さや、
面白い登場人物でも出てもらわないと物事が進まない的な
台詞を笑うシーンがありました。
というか彼等はどことなく自分が物語内にいる事を自覚している節があり、
自分達が最終的にどうなるか薄々勘付いており、
(予兆があり、決定的証拠も見てしまう)
しかし悲劇的な結末から逃れられないように
認識能力がぼんやりとしていて、正常な判断力が与えられていない。
どんなに不安になって議論しても、
(表が出続けるコインのように、おそらく何度繰り返しても)
彼等は王の命令を受けてしまうし船に乗ってしまう。
幾らでも断って、去る事もできるのにそうしてしまう。
ぞっとするような物語の強制力も表現されていました。

どちらかといえばしっかりしたギルデンスターンと
ぼんやりしたローゼンクランツ。
本編とは違って、愛らしい人物でした。
左手と右手、どちらにコインが入っているかの賭けの時に、
ギルデンスターンを勝たせてあげるために
両手にコインを握るローゼンクランツ、とってもかわいかった。

英国の舞台のお客は見事に階層で分かれていて、
労働者層は絶対に芝居など見に行かないって最近エッセイで読んだのですが、
でもこのお芝居はダニエル・ラドクリフさんが出演されているので
客層としては特殊なのかも。
それとは別にお客さんの眼鏡率の高さに驚いた。


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