安倍晴明ものです。
ある夜、不吉な星を見た晴明は、それを九尾の妖狐が日本に渡ってきた兆しと読む。
同時に中国へ留学していた幼馴染、賀茂利風が帰朝し晴明は喜ぶが、
旧友に違和感を感じた彼は…というあらすじ。
垂れ目の美形ヤレヤレ系天才最強陰陽師が中村倫也さん、
その唯一の弱点にして幼馴染の親友が向井理さん。
ウワー!っていう。
脚本中島かずきさんのBLへの理解度が着実にアップしている。
歌ありアクションあり涙あり笑いありの贅沢な3時間でした。
全部ばれ
九尾と晴明の駆け引きがメインのあらすじですけど、
左大臣と右大臣で、最初の善悪の印象が逆転したり
虐殺の被害者と見られていた桃狐霊の一族が実はそうではなかったり、
そういう定番外しも面白かった。
演出では、幕間の直前にタイトルの文字が逆転するやつもよかったな。
狐が晴明を狩るという。向井理さんは悪人顔もお似合いですね。
執着しなさそうでいて情が濃いのが晴明で、
心が柔らかそうでいて思い切りがよくあっさりしているのが利風。
その設定を中村倫也さんと向井理さんの顔で三次元化されると大変危険ですよ…。
帰宅してすぐに二次創作を探しにネットの海へ漕ぎ出しましたからね。
衣装が素晴らしかったです。
蜘蛛モチーフの元方院さまの帯と冠と打掛け。
耳の裏の細かい毛まで表現されて、
どんな激しいアクションでも髪の散り方が不自然でなく、
なおかつ弟のほうは耳を垂らすこともできる桃狐霊と藍狐霊のかつら。
素敵にモフモフしている豊かな髪なのに頭がでかく見えないバランス、
かつキツネ部分を最小限に留めてあくまで本人の薄い冷たい目鼻立ちを引き立てるメイク、
九尾の第二形態は特にすごかった。
最後に、晴明の感情を欲しがったのは九尾なのか利風なのか、
晴明は本当にそれを防げなかったのか、
旧友と共にあれるようにあえて手放したのではないか、
などなど、考察が捗りそうでした。
関係ないですが山の民の名前が出て、おっ、サンカねた来るか?
と思ったが登場せず、ほぼ名前のみだった。