「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

広島忌一直線に拭く廊下 中井由美子 「滝」11月号<滝集>

2014-12-05 04:27:10 | 日記
 広島に原爆が落とされて、もうすぐ七十年になる。未だに
後遺症に悩まされている人達が多くいる。かつて、原爆資料
館を見学した折には、しばらくは言葉もなかった。この広島
忌と一直線に拭く廊下の取り合わせはよく解る気がする。長
い廊下を雑巾で力を込めて腰を下ろして、まっすぐに足早や
に拭くのは、つらい気持ちを忘れさせる効果があると思う。
この頃は雑巾掛けをしなくなった。モップで済ましている。
意外な取り合わせと力つよさがあって良いと思いました。な
お、この句は今年度の宮城県芸術協会の最優秀賞に輝いたも
のです。(鈴木弘子)