かなかなの声、そしてその奥にもかなかなの声。「かなか
な」は「蜩」。「日暮」とも書く。まるで森の中を歩きに歩
いた一日の果てに、黄昏時の湖を見ている感じがする。わけ
もなく、センチメンタルな気分になるってくるのは、かなか
なの声の静かな余韻のせいでしょうか。季節の変わり目に扉
があるわけではないのですが、「奥に」に、そんな扉が幾つ
もあって開いていくような、その先に澄んだ水を湛えた湖が
夕陽に光っているような、そんな不思議な感覚にもいざなわ
れる、美しい句と思いました。(H)
な」は「蜩」。「日暮」とも書く。まるで森の中を歩きに歩
いた一日の果てに、黄昏時の湖を見ている感じがする。わけ
もなく、センチメンタルな気分になるってくるのは、かなか
なの声の静かな余韻のせいでしょうか。季節の変わり目に扉
があるわけではないのですが、「奥に」に、そんな扉が幾つ
もあって開いていくような、その先に澄んだ水を湛えた湖が
夕陽に光っているような、そんな不思議な感覚にもいざなわ
れる、美しい句と思いました。(H)