なぜ胸が苦しくなるんだろう。と、心を鎮める時間が必要な句でした。私には、鶴のこゑが心の中にとても淋しく響いて来たからです。季語の「鶴」は「めでたい鳥」として説明されており、皆が幸せになる前兆としての「鶴のこゑ」として有る本来なのでしょう。しかし、読まれた筆は「宇宙の理」を説いたものとされる写経をしていると思われ、おそらく天変地異により予期せず奪われた命へ向けて書き写しているのでしょう。古来より「鶴は千年」といわれ「長寿を象徴する吉祥の鳥」として、また夫婦仲が大変良く一生を連れ添うことから「夫婦鶴=めおとづる」といわれて「仲良きことの象徴」の鳥として、鳴き声が共鳴して遠方まで届くことから「天に届く=天上界に通ずる鳥」といわれるなど、尊ばれてきました。でも私は、長寿を象徴する鶴が上五・中七の長寿を絶たれた方々への鎮魂と結びついてしまったようです。(博子)
🐗良い年をお迎えください。🐭
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