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『データで読み解く「生涯独身社会」』

2019年12月19日 | BOOKS
『データで読み解く「生涯独身社会」』
著者:天野 馨南子
宝島社新書

 「結婚したいのにできない」という課題を、データを示しながら解説してくれる一冊です。

 読み終わって1番の感想は、「子どもが大人になってから考え始めるのじゃ遅いんだ」ということ。
 子どもを持つ親としては、「結婚したいと思ってもらえる人間」を育てることも大事ですが、「この人たちの子どもと結婚しても良いと思ってもらえる義両親」になることも大事なのだと、空恐ろしい気もします。

 子どもが、経済的にも精神的にも自立した大人になること。
 経済的にも精神的にも、子どもに依存しない親になること。
 どちらも、一朝一夕ではできません。
 最終章で書かれているように、「親亡きあとの子の幸せ」を考えたら、適度な「親離れ」「子離れ」に早くから取り組まないといけないのだと感じます。

 「結婚」するにしても、しないにしても、親以外の大切な人と出会うこと。その人と幸せに暮らすこと。
 そのためには、何が大切か。
 社会や親が、自立を邪魔してはいないか。
 報道やネットの情報が、結婚の価値を貶めてはいないか。
 「早期教育」よりも、危機感を持って取り組むべき課題かもしれません。

 まず「子どもの幸せ」を願うなら、愛情だけでなくデータと知識を持って考え、自分たちの暮らしを見つめ直すこと、きちんと老後に備えていくことが必要になりそうですね。
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