MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『小野寺の弟 小野寺の姉』

2013年09月06日 | BOOKS
 家族って、優しくてせつない。

 『小野寺の弟・小野寺の姉』 西田征史 
出版社:リンダパブリッシャーズ


 「あまちゃん」にも出演している片桐はいりさんと、「ゲゲゲの女房」の向井 理さんが姉弟役で舞台化されたという、『小野寺の弟・小野寺の姉』。

 姉の視点と弟の視点が章ごとに切り替わって、二人の何気ない毎日の生活・心の中を描いていきます。

 読後感は、ほのぼの。「読んでよかった」「友だちにも薦めよう!」と思うのに、自分が同じ立場だったらと思うと私は苦しい。
お互いを大切に思う気持ちが、「家族」の温かさが、どうしてこんなにせつないんだろう。

 40歳の姉と33歳の弟。
 両親はなくて、古い一軒家に二人暮らし。
 こっそりとお互いを気遣って、喧嘩しながらも仲良く暮らしている毎日。

 誰よりも分かりあえて、誰よりも近くにいて、でも恋愛とは違う二人の関係が、この先どうなるんだろう?
おばあちゃんになって、おじいちゃんになっても、きっと並んで憎まれ口をたたいていそう。

 家族二人でいるのがあまりに自然で、楽で、快適だと、やっぱり新しい人間が入っていくのは難しいのかな。
『赤毛のアン』のマリラとマシューの老兄妹を思い出したら、「こういう二人の老後もありかな」って思えたのですけれど。
コメント
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