行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

思いやりの心

2012年04月10日 | 禅の心
「愛と思いやりは、生きていく不安を追い払います。なぜなら、このふたつの資質があなたの心の中で大きくなっていけば、内なる自信が生まれ、不安は消え去っていくからです。わたしたちがそのなかで生きている世界をつくりだすのは、私たちの心なのです。」

 ダライラマ14世の言葉です。愛と思いやりは、忍耐から生じてきます。攻撃的な性格の人には、安らぎがありません。自分ばかりでなく、周囲も不安定にしてしまいます。心の中に、愛と思いやりを育てていくことは、不安の少ない人生を送っていく鍵になります。
相手を傷つけることは自分を傷つけることになります。相手を思いやることは、自分自身を思いやることなのです。

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粗なる言葉をなすなかれ

2012年04月06日 | 禅の心
粗なる
ことばをなすなかれ
言われたる者
また なんじにかへさん
いかりに いづることばは
げに くるしみなり
返杖(しかえし)かならず
汝の身にいたらん
(法句経133)


日本人は、「言霊」と言って、言葉には魂が宿っていると考えてきました。
言葉は生きています。汚い言葉は天井につばきするがごとく、自分に返ってきます。暴言や、攻撃的な言葉は、必ず自分に返ってきます。
言葉は心の足音であり、心の脈拍です。言葉を整える事は心を整える事でもあり、幸せな人生を送って行く第一歩でもあります。

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自分のこととして考える

2012年04月03日 | 禅の心
 大きな被害を出した東日本大震災。私は決して遠い世界のことだとは思えませんでした。このような大きな出来事がおこると、ただ感情論に走ってしまいがちです。「被害に遭われた方がかわいそうだ。」「大変なことになった。」と、いわゆる”上から目線”で考えたり、感傷的になってしまいます。しかし、「自分がその立場なら」とか、「自分にも起こりうることだ」という視点も必要だと思います。禅では、相手と自分の間の垣根を取り払って物事を考えます。つまり、相手になりきるのです。これは相手に合わせて、救って下さる、観音様の心でもあります。昔、画家が、鷺の絵を描くことを依頼されました。依頼者は、画家の絵がいつもあまりにもすばらしいので、どのようにして絵を描いているのか知りたくなりました。そこで、画家のアトリエを覗いてみると、画家は、鷺の格好をして、羽をばたつかせながら、絵を描いていたということです。対象になりきる、自分のこととして考えることは、禅の心であり、観音様の心でもあるのです。

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