行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

すべてのものが自分の姿

2012年04月20日 | 禅の心
花園大学学長をやっておられた山田無文老師は、年に一度は、岡山県の長島愛生園を訪問されていました。愛生園はハンセン氏病の患者さんが、強制的に連れて来られたところです。ハンセン氏病は神経の病気で、手足の指が壊死し、感覚がなくなっていく感染症です。
しかし、ハンセン氏病は感染力は弱く、完全に治る病気なのです。
当時の権力者と、人々は大きな過ちを犯しました。ハンセン氏病の患者さんを人間扱いしないで、差別し続けてきたのです。強制的に去勢され、家族と引き離され、一生隔離の生活をさせられたのです。本名も名乗れません。家族に迷惑がかかるからです。

自分が差別される側の立場ならどうなのかという視点で考えないと、差別はなくなりません。自分もどんな病気になるかわかりません。自分ではなくても、子供や孫が差別される立場になることもあるかもしれません。
全てのものは自分の姿であります。差別に対して無関心でいることは、差別することと同じことなのです。
コメント (1)
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